A. 歌を歌うことに限らずとも、スポーツにおいても身体のバランスがとれていることは、効率のいいパフォーマンスのために重要であることはお分かりのことと思いますす。下半身が安定して、重心がどっしりとしているスポーツ選手は、見ていても安定感もあり、その運動能力もすばらしいのではないでしょうか。
さて、歌を歌うのにもこの下半身や下腹の意識はなぜ必要なのでしょうか?
歌に必要な大事な要素の一つは「呼吸」ですが、この呼吸、「吸うための筋肉」と、「吐くための筋肉」は実は同じではありません。
一見息を吸うとお腹が膨らみ、胸が膨らみ、息を吐くとそれらが縮むので、まるで同じ筋肉が同じ様な効用で動いているかと感じられるかもしれません。
「吸うための筋肉」は上半身の、割と上のほうにあります。そして、吐くための筋肉はお腹周りの腹筋(腹横筋、腹斜筋。腹直筋)です。この腹筋群は骨盤に付着しています。ですから、歌うときには上半身の下のほう、つまり下腹のあたりの意識が非常に重要になります。
また、女性に多いのですが、反り腰で歌われる方がいます。これだと腰から下の筋肉が分断されてしまって、パフォーマンスに生かせないことがあります。なるべく反り越しを回避するように、少し中腰にしてみるなどの工夫をしてトレーニングをしてみると、より下腹へのアプローチがしやすくなると思います。がんばって意識を高めていけるといいですね。(♯β)