A.「家で」という条件が付いてしまうと、大きな声は出せない環境ということになると思いますが、可能な限り、週5~6日は、心おきなく声を出せる環境を、確保したいものです。
では、大きな声を出せない環境では何ができるかというと、声を使うものは「ハミング」と「小声」でしょうか。「小声」は、曲の暗譜練習など、ヴォイストレーニング以外の部分では、大いに活用できますが、こればかり取り組むと、発声が萎縮してしまう弊害があるので、お勧めできません。「ハミング」は、本人が自覚する以上に小さな音の場合が多いので、ぜひお勧めしたいメニュです。声を使わないものは、いろいろな呼吸練習だけでなく、ストレッチも取り組みましょう。呼吸練習は、たっぷり吸うトレーニングと、しっかり吐く練習に大別されますが、どちらもトレーニングとしては実施する価値があるので、どちらかに偏ることなく、さまざまな呼吸練習に習熟することをお勧めします。ストレッチは、喉や体の無理のない脱力を手に入れるために、1時間以上かけてじっくり実施することを、慣れるまでは、週1回以上は取り組みましょう。これ以外にも、リップトリルやエッジヴォイスなども家でできますが、これらは、ケースバイケースなので、トレーナーに相談してからの方がよいでしょう。(♭Ξ)
A.声を出すというトレーニングは住宅環境の問題で難しい場合がとても多いです。特に昨今、騒音問題などによる近所トラブルなどの報道も多いので家でできるトレーニングというのはとても貴重です。
例えば私が普段やっているトレーニングは、特に音程も決めず大きな声のいらない音域で、ドレドという3音を様々な母音で歌うというトレーニングです。
張り上げる必要も大きな声もいりません。高い音域も、低すぎる音域もいりません。若干低め位がいいですね。確認するべきは
・声門閉鎖ができているか
・ブレスが正しい位置にはいっているか
・お腹の状態の確認
・喉が低い状態でキープできているか
・音の上下で喉が浮かないか
・音が揺れていないか
・声を押していないか
・母音のフォームの確認
・口腔の状態の確認
など様々ですが、なんてことない3音でこれだけの確認ができます。この音がある程度レベルでだせればほとんどの音域は問題なくでます。上記のチェックを張らなくてすむ音域でロングトーンをやってみるのも一つの方法です。
毎日のトレーニングですから、周りの環境を考慮してできるトレーニングを考えていけるとよいですね。(♭Σ)
A.トレーニングの内容は人それぞれですので、自分に合うと感じる方法でしたら毎日行ってみればよいと思います。毎日行えるものとしては呼吸の練習です。息の流れに乗って声が出ていくので、声は発していなくても、ヴォイスのためのトレーニングであると認識してください。方法はいろいろありますが、子音Sで圧をかけて吐くと安定して行いやすいです。例えばスタッカートで吐く(スッ
スッ スッ…10回毎にブレス)、何拍かのばして吐く、(スーーッスーーッ…ひと息毎にブレス)を身体の踏ん張りを保ちながら(保つよう意識しながら)行います。他にもシュッシュッシュッ、ヒッヒッヒッなど発音も増やして行えます。
また、有声子音としてZ(ズ〜)はトレーニングとしてとても優れています。子音Zを使って上記の練習もできますし、発声の音階練習を行うこともできます。歌うときと同じ身体でしっかり息を吐く状態になれて、声を出すほどの音量にはならないのでご自宅でも可能だと思います。(♯α)
A.何をされているか、何を目指しているか、どのような環境で暮らしていらっしゃるのかということによって、できる内容は変わってくると思います。もし、音出しが可能な状況なら、普段レッスンで行っているような練習を行うのがベストだと思います。その際にトレーナーに心掛けることを聞いておくと良いでしょう(トレーナー側は、それぞれの状況を把握したうえで、適切にメニュを定めることが理想です)。
私の見解ですが、自主練の際、自身の声を判断基準にしないことが理想です。自分で自分の声を確認しようとすると、理想とかけ離れていくことのほうが圧倒的に多いと思います。視覚的、体感的な部分を判断基準にすることが望ましいです。
なお、音が出せない状況であれば、ブレスの練習や、口形の練習、音楽や詞の内容解釈などを行うのがいいと思います。ブレスの練習や口形の確認などは、先に述べた視覚的、体感的な部分で慣れていくことにつながっていきます。また、さまざまな人の演奏を聴くこと、観ること、それを観察し、研究課題とすることも、自分自身の価値観の基準として、目安になっていくと思います。できることはいろいろあると思いますので、わからなければ、トレーナーに聞いてみることをお勧めします。(♭Я)
A.毎日練習するということが習慣化することが難しい中、毎日取り組もうという姿勢が素晴らしいです。人間の体も楽器です。ピアノやバイオリンの奏者は、3歳や5歳から毎日欠かさず練習します。歌も同じです。やはり毎日の積み重ねが重要なのです。
自宅でやっていただきたいことは、まず呼吸です。音もうるさくないので、集合住宅でもできると思います。おなかを押し込みながら思い切り息を吐く、体をツイストしながら息を吐く、体をそって息を吐く、など、いろんなバージョンの息吐きがあるのですが、20回をワンセットとし、マックス5セットを目安にやってみましょう。
次に口蓋を上げる練習です。これも音は出ませんのでお勧めです。鏡を見ながら、口蓋垂がぐっと持ち上がるようにして息を吸ってみてください。この上あごの状態を維持しながら、口蓋垂も上げながら息を吐きます。まるであくびのような感覚です。
次に声を出しますが、ご自宅でということなのであまり大きな音ではない練習を2つ紹介します。一つ目はハミングです。口を閉じ、小さい声で結構ですので鼻に音を響かせるかのように出してみてください。ドレミレドを下のドから1オクターブ上がって、下がってを繰り返します。次に唇を震わせて、リップロールで同じことを繰り返します。さらにドレミレドレミレド(2回連続)、ドレミファソファミレド(5度)、ドレミファソラシドレドシラソファミレド(1オクターブ)。
余裕があれは週に一度はカラオケボックスや音楽スタジオで大きな声で、レッスンで習った発声や曲の練習をしていただければと思います。最近は公民館などにも音楽スタジオがあり、安く借りられるようですので、ご自宅で大声を出せない方は、ぜひ活用していただければと思います。(♯β)
A.大きな声が出せない環境でしたら、喉頭筋のストレッチから始めるとよいと思います。
あくびのフォームで首をゆっくり右に向けて5秒、さらにゆっくり左に向けて5秒。
これを数回繰り返します。
また、舌根をやわらくするトレーニングをかねて、aとeの母音を使って喉全体を動かしながら声を出していきます。レッスンでよく使う方法ですが、舌根の力が抜けるのでかなり高い音まで力強い声で鳴らすことができます。
ウォーミングアップをきちんとして、いきなり大声を出したりせず声を大切にヴォイストレーニングをしてください。(♯ё)
A.・ハミングで5度上下行する(ドレミファソファミレド)スケールを、上下無理のない音域で歌います。
・同じスケールを今度は、自分が好きな母音(アなど)で上下無理のない音域で歌います。・母音でオクターブ(ドレミファソラシドレドシラソファミレド)のスケールを上下無理のない音域で歌います。
・母音でアルペジオ(ドミソミド)のスケールを上下無理のない音域で歌います。
以上の発声練習で体が温まりましたら、コンコーネ、イタリア古典歌曲などの教則本を用いて、体を使って息をコントロールする練習をします。
最後に自分が今取り組んでいる曲を練習します。
大体このような流れでヴォイストレーニングをしてみましょう。(♭й)
A.毎日練習しています、という人がいます。聞くと、カラオケを流して合わせて通して数回歌うというもの。「ただ歌う」ということも、数をこなすという点で意味はなくはないと思いますが、トレーニングとしてはあまり効率がいいとは言えない気がします。
家であまり大きな声を出せない場合、最も大切な練習は息吐きのトレーニングですが、ここではあえて別の視点から「暗譜の重要性」について書くことにします。
ライブをするとき、ヴォーカルは楽譜を見ません。歌詞とメロディを覚えて歌います。これを暗譜といいますが、みなさん何曲くらい暗譜していますか。いまこの場で歌えますか。
クラシック音楽の世界では、300曲のレパートリーが最低限だそうです。ピアニストも指揮者も、ぱっと演奏できる曲が300曲あるそうです。名曲には理由があります。名曲ぞろいのクラシック音楽の中から300曲覚えるとだいぶその感覚が肌にしみこむのではないでしょうか。
ポピュラーの歌い手も、いわゆる定番や、自分の好きなバンドのものなど、片っ端から覚えていってはどうかと思うのです。小声で唱えるだけならそんなに防音設備も必要ではありません。数をこなしてエッセンスを取ろうということです。(♭∴)
A.毎日たっぷり時間をとって、家で発声練習をしてから歌や喋りの練習をするのに越したことはありません。皆さん、他の仕事が忙しかったり、家で大きな声が出せない環境だったり、大なり小なり制約がありかと思います。それでも家でできるトレーニングをお伝えします。
1.とにかく横隔膜を動かす
ハッハッハッと、深いところから息を吐きながらお腹を意識的に動かす。浅いと意味がないです。大型犬になったつもりで。寝転びながらでも結構です。
2.かかとを上げ下ろし。下ろすのに合わせて息を吐く
可能なら、その息に合わせてア、ア、アと軽く声を出します。横隔膜の動きと声の立ち上がりを連動させる練習です。洗い物をしながらできます。
3.中腰で歩く
お能の役者さんの歩き方のように腰を落として少し前傾姿勢で、上半身を揺らさずに摺り足にします。結構大変ですが、歌の支えに必要な筋肉が鍛えられます。例えば、お手洗いの行き帰りは必ずこれをやると決めておいたり、習慣化することがおすすめです。(♯∂)