発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

04.発音/言葉

Q.「を」と「お」をどう使い分けていたのでしょうか。

A.上向きが「を」で、下向きが「お」です。「をとこ」「をんな」で、「おきな」「おうな」です。「をさない」(幼い)で「おゆ」(老いる)と反対なわけです。

Q.あそぶということの由来は、何ですか。

A.平安の時代には、「あそぶ」とは音楽の演奏でした。「あそ」は、ぼんやりした状態です。祭りで神を待つのに神事として音楽が使われました。よりまし(憑人)につくのに「あそ」の状態になるのです。恋愛を指すこともあります。

Q.「い」で始まることばの特徴は、何ですか。

A.命の「ち」は血と乳。「忌む」や「斎(いつ)く」「祈る」のように、「生きる」の古語は、「生く」で息に通じます。「い」は、厳かなものを表しています。

Q.息は、「生く」からきているのですか。

A.息をひきとる、息を吹き返す、息吹くというように、「生く」の名詞化が息と考えられます。命の「い」であり、言う=言霊の「い」です。

Q.人の体のことばが、いろんなものに使われていませんか。

A.人体に似たようにみえたら、その名がつくのはしぜんなことと思います。あばら骨→あばら家など。もしかすると、「目」や「鼻」で、「芽」や「花」かもしれません(アクセントからは、否定されていますが)。

Q.生後、子音は、どの順で覚えていくのですか。

A.どの国も同じで、「p、b、m」「t、d、n」「k、g」「w」「tz」「dz」です。つまり、口唇音、歯音、後舌音の順です。

Q.母語は、どの順で覚えていくのですか。

A.母語は、a、それに対してiが区別され、次にu、そして、その間のe、oとなります。

Q.文字を発明したのは、どの民族ですか。

A.メソポタミア文明のシュメール人の楔形文字で、粘土板に葦ペンで刻みました。シュメール語は、日本語と同じく、膠着語の系統に属します。ちなみに、次はエジプトのヒエログリフ(神聖文字)という象形文字です。パピルスに葦ペンでインクで書いたのです…

Q.沖縄の方言の特徴は、何でしょうか。

A.方言というよりは沖縄語ですが、母音が「あいう」の3つです。琉歌は、8886となります。

Q.ピジン語とクレオール語は、どう違うのですか。

A.ピジンは、植民地など、支配されたところで生まれたことばです。ピジンイングリッシュなど、破格英語とか言う人もいます。母語でも母国語でもなく、使われています。そういう人たちの子供が母語とすると、クレオール語と呼ばれます。

Q.英語での言語支配を食い止めなくてよいものでしょうか。

A.フランスでは、政府が1972年、公式機関と学校へ2種類の言い換え表を出しました。英語の代わりに言い換えるものとそれが望ましいものと、です。日本の場合は、カタカナもあり、多様な受け止め方をしているようです。

Q.「国語」は、いつ使われるようになりましたか。

A.明治18年、三宅米吉の「方言取調仲間の主意書」に、「我が日本の国語」とあります。邦語、日本語、国言葉も使われています。明治19年、ヘボンの「和英語林集成」に掲載。明治27年、上田万年「国語と国家と」の講演にて、広まったそうです。

Q.なまりということばは、使うといけないのですか。

A.「ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」(啄木)は、発禁になっていませんし、注記もありません。

Q.ドーデの「最後の授業」は、フランス語という母国語を奪われる人々の悲しみと学びました。

A.アルザス地方の本来のことばはドイツ語で、当時も7割の住民はドイツ語を使っていたのです。となると、この話で母国語を奪われるのは、フランス語を使うアメル先生だけということになるようです。母国語は母語とは違うので、あまり安易に使うと話がおかし…

Q.母語は、いつのまにか覚えたことばですか。[E:#x2606]

A.授乳で乳を吸うときに、必ず、赤ん坊は、母親のその声でことばを聞くはずです。赤ん坊が外で初めて出会う母の乳と母のことば、そこから、母語が伝わるのです。つまり、親から授かった身体で、まわりのものと関わっていき、教わったことばで社会、つまり…

Q.韓国語と中国語は、国の言語ですか。

A.韓国語は、北朝鮮も使っているので、本来は、朝鮮語と呼ぶ方がふさわしいと思われます。しかし、中国語には、北京語や上海語など、より大きな違いとしての50以上の言語があります。つまり、それぞれの民族の言語としてあるのです。となると、漢民族の漢…

Q.沖縄の琉球語は、方言ですか。

A.方言なのか、別の言語なのかは、学問として、客観的に決められず、政治などが絡んでくることもあります。日本人に通じるかというと、全くわからない。でも、そのような方言もいくつかあります。使う人の意識によっても、独立性を望んでいるのか、所属を…

Q.日本語の「ウ」は、外国語と特に違うというのは、なぜですか。

A.「ウ」は、非円唇母音といって、唇を突き出しません。これに近いのは、フランス語、トルコ語、韓国朝鮮語などに限られます。

Q.なぜ、Ⅴは、ヴァヴィヴヴェヴォと、ウに「゛」となるのですか。

A.日本語では、外来語に対して、単語の最後のb、g、k、pに、ブ、グ、ク、プとウ段を使い、d、tには、オ段のド、トを使うようにしたのです。子音に対して、どのカタカナ語をあてても、小さい「ッ」以外は、母音を含むので、正しくないと言えばそれまでです。

Q.バイオリンは、ヴァイオリンというのが正しいのですか。

A.日本では、Ⅴは、ヴァで使うようになりつつあります。日本語は、バとヴァを区別しないので、どちらでもよいですが、ヴァを使う方が外来語っぽいのでしょう。ヴをウ濁と言います。

Q.日本語は、ウラル・アルタイ語族ですか。

A.今は、ウラル・アルタイ語族は認められていません。

Q.アルファベットは、英語とフランス語、イタリア語など、欧米のことばに使われるものですか。

A.言語学では、1文字と1音との対応する体系のことです。a、b、c、…は、ラテン文字、ローマ文字ですが、ギリシア文字のα、β、γやキリル文字のаやヘブライ文字、アラビア文字もアルファベットです。一般的には、アルファベットは、ラテン文字と思われ、その…

Q.看護婦とかは、看護士などになったようです。母校や母国は、なぜ母なのでしょうか。

A.「父兄」も、今は使わない方向だそうです。女性への配慮のあまり、バランスが欠けてしまったことは少なくないといえましょう。

Q.母国語は、正しくないと言われました。

A.はい、今は、母語(mother tongue)です。

Q.3カ国語がしゃべれるというのは、日本人なのに、日本語も入れるのですか。英語やフランス語を2カ国語と数えるのは変です。

A.日本人=日本語の感覚で捉えてしまってきたからですね。英語がしゃべれたら何十カ国で通じますね。カナダ語やスイス語とも言いません。公用語が2、3カ国語ある国も多いし、そろそろ「何カ国語」ではなく、「何言語」というようにした方がよいでしょう。

Q.外人はよくないのに、外国人はよいのですか。

A.外国語も外国人も、国という単位で分けているのは好ましくないと思います。アイヌ語は、外国語とはいえません。外語とつけている専門学校などもありますね。 国と民族と言語は、別のカテゴリーにするときでしょう。

Q.「ステイホーム」は、犬などへの「待て」のステイで、しかも命令形でないですか。プリーズもいるのでは。

A.カタカナでのスローガンですから、日本での使い方として受け取っておきましょう。

Q.「てにをは」を間違えるという漫才のネタで、「接続詞がおかしい」と言っていました。

A.「てにをは」は助詞ですね。

Q.日本語で、母音をはっきり発音すると、不しぜんに感じます。

A.江戸時代くらいまでは、あまり子音につく母音は、はっきりと発音されていませんでした。日本語としては、子音と一体化したものですから、母音のところを強調するのは明治以降の公のところでのことばとして必要とされてきたのです。

Q.「ぢ」の発音は、消えてしまったのでしょうか。

A.「痔」くらいしか目にしなくなりつつありますが、戦前まで、たとえば、ラジオはラヂオでした。radioであってrazioではないのですから、それでよかったのです。ダ行のヂ、ヅは、ザ行のジ、ズの変わってしまったのです。