発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

09.音程/音感/聴音

Q.歌うときに手で片耳を塞ぐのはよいのですか。

A.こうすることで「内側の音」を増幅して聞くことができるので、いい声に聞こえて安心できるのでしょう。でもこれでは本当の声がわからなくなる上に、耳を悪くしてしまいますので、やめた方がいいです。それよりも、他人が聞いている「外側の音」に耳を澄ま…

Q.声が、その音にうまくヒットしません。

A.声のあて方で凌ぐのはよくありませんが、最初は仕方ありません。一方で、曲の聴き方、音をメロディの動きでイメージできる力をつけていきましょう。発声やヴォーカリーズを無理のない範囲で少しずつ慣らして拡げていきましょう。([E:#x266F])

Q.音楽的な素質は、聴く感覚での判断ですぐれていることですか。

A.それは必要な条件ですが、充分条件ではありません。楽譜が読めたり、暗譜できるのはよいことですが、歌手であれば歌唱上で必要な聴く感覚と、読む込む感覚があればよいのです。一般の人にみえないところまで入れ込めなくては、それ以上の世界を表現でき…

Q.話す能力があれば、歌えるのですか。

A.歌には、話よりも広い声域、声量と、音高、音程のとれる音感、リズム感が必要です。キーボードならミスタッチしなければ、正しい音が出ます。しかし、歌は管楽器、弦楽器以上に調律の耳がいります。さらに、厳しい音声のイメージ能力が必要となります。…

Q.音を狙うとはどういうことでしょうか。

A.音を狙うとは、音の高さなどのことですね。私も学生時代にそのように教わってきました。そのように指導をする先生が日本の場合多いです。人によっては無意識にそれを行っている場合もあります。 合唱などを歌う分にはそれでも通用すると思いますが、ソロ…

Q.ヴォイトレは声の力をつけるのですか。

A.ヴォイトレというと、すぐ声のことにばかり目がいきますが、本当は耳の方が大切なのです。 たとえば、年配の方で「コーヒーとティーはどちらにしますか」と聞くと、「テー」と返される方がいました。その人の頭には、「ティ」は「テー」で認識するので、…

Q.歌手になるのに、音大に行ったり、作詞作曲も楽器も、譜面も英語もマスターしなくてはいけないのですか。

A.そんなことはありません。日本の歌の女王というと、(故)美空ひばりさんですが、彼女は譜面を読めず、英語も話せませんでした。しかし、ネイティブと同じといわれるくらいの当時としては驚くべきレベルで、ジャズやポピュラーソングを原語で歌っていま…

Q.語学も歌も、長い年月かけると上達しますか。

A.必ずしも年月と実力が比例するわけではありません。むしろ個人差が大きく、それは耳でどのように聞くのかという力によって、大きく影響します。その音声の世界を捉えるセンサーを、私は「アンテナ」といっています。 たとえば、ものまねが上手い人は、ア…

Q.耳の磨き方のヒントを教えてください。

A.どのように音を聞くかは、犬を日本人はワンワン、向こうはVow Vowというだけで、違うことがわかります。私たちが7色と捕らえる虹の色を、3色や5色や6色という国もあるのです。(アメリカでは、6色です)(♭ф)

Q.耳の力を磨くにはどうすればよいですか。

A.声で高低の聞き分け、特に子音の聞き取りをしっかりとやりましょう。その上でかなり大げさに発音していきます。 日本語は、声の高さが平坦で一定の感覚で音節が続きます。原稿用紙のマスを句読点なく埋めていくような感じです。 それに対し、英語は、文…

Q.耳から始めるトレーニングとはどうするのですか。

A.赤ん坊は、音を聞くときにリズム、イントネーション、メロディで入ります。私たちも、それに習いましょう。 耳の調律は、モーツァルトの曲やグレゴリオ聖歌など、イメージを絵や音にする前言語段階でやりましょう。 自分の歌いたい欧米のことば、リズム…

Q.伴奏をよく聴くように言われました。

A.ボーカルをやっている方、歌を一人で歌っている方、ここに来られる方によくみられる現象として、自分の歌はとてもよく歌えているのに、伴奏とのやり取りに慣れていないということがあります。 皆さん、声のことにとても熱心に取り組まれていますが、最終…

Q.日本人の聞き方の特徴は何でしょうか。

A.本来、日本人は、音の構成や和音(ハーモニー)よりも、一音の響きのなかに感じ入るということでした。それは、欧米の教会のキンコンカンコンと、日本のお寺のゴーンの違いが象徴しています。日本人は、構成美やハーモニーよりも、単音のひびきに心を動…

Q.音痴の正しい定義を知りたいのですが。

A.音聾とは、tone deafeness、つまり音を聴くことに問題があるということで、音痴と同じように使われています。調子はずれ(out-of-tone singer)というよりは、音感が乏しく正確に歌えない(poor pitch singing(er)、inaccurate singing(er))ということ…

Q.音感が悪いのですが。

A.音を聴く力としての音感は、楽器などをやっていると比較的、磨かれます。音感があっていても、出した声ではずれることもあります。現に音楽家や指揮者の音痴もいます。つまり、音痴とは歌うときにはずれることをいうのであり、そうならないためには聴い…

Q.どうして自分を音痴と思っている人が多いのでしょうか。

A.そのほとんどは、日本の学校教育の生み出したものでしょう。音痴という思い込みで、実際は、歌うのに何の支障もないのです。これまで、自分のことを音痴だと思っていた方は、もう気にしないでください。今の小中学生は、身長が大きくなっている上に、大…

Q.音痴ではないかと思い、音程やリズム感の悪さを気にしています。

A.歌にさしつかえるほどの音痴というのは、大脳の先天的音楽機能不全のことで、本当にほんの少数の人しかいません。あなたが仮に相当ひどい音痴といわれていても、たぶんこれにはあたらないはずです。自信をもち、慣れていってください。(♭ф)

Q.音痴とは何ですか。

A.「生理的欠陥によって、正しい音の認識と記憶ができないこと、また、その人の、俗には音楽的理解の乏しいことや、そのために正しい音階で歌えないことをいう。音聾」とあります。(広辞苑)つまり、音痴とは聴覚、音声障害(者)のことを示すのですが、…

Q.生理的な欠陥としての音痴の判断はどうされるのですか。

A.ほとんどいないので心配ご無用です。話してみて、おかしくなければ大丈夫ということです。耳(や脳)が悪いとアクセント、イントネーションを正しく普通に話すことはとても難しいからです。聴く力と、それを声に出すことについてチェックしてみましょう…

Q.基準音の高さとは何ですか。

A.オーケストラの音を合わせる基準は「ラ」の音で、440ヘルツでした。これはヨーロッパの平均律を基準としていました。しかし、同じ「ラ」でも442や444ヘルツのときもあります。昔は低かったそうです。日本では半音も低い430ヘルツを使っていたといいます。…

Q.絶対音感は何に役立ちますか。

A.戦時下、敵の飛行機の音を聞き分けるのに、日本軍は音楽家の耳を使おうとしたそうです。 音楽家にはあらかじめ、一つの音程を与え記憶させ、その音をたくさんの音の中から選ばせることにしたのです。サイレンがそのとき使われました。「ウーーーーー」と…

Q.音の高さを正しく知るには。

A.周波数(hz)をみることになります。高音を瞬時に測定して表示するチューナー(チューンメーター)があります。研究や説明のためには、純正律や平均律など、いろんな律の比較のため、セントという半音を100等分した単位があります(1オクターブが1200…

Q.絶対音感とは何ですか。

A.与えられた音を、これは「ド」とか「ラ」の音とわかること、それを聞かずとも正しい高さで出すことができる能力です。つまり、音の高さを瞬時に判断したり、その音を発する能力です。絶対音感があると何が違うのでしょうか。ピアノの一つひとつの音やコ…

Q.絶対音感がないと音楽的才能がないのでしょうか。

A.必ずしも関係はありません。ベートーベン、モーツァルトは、絶対音感をもっており、チャイコフスキーやシューマンはもってはいないといわれています。 絶対音感をもつ人は、左脳の特定の部分が反応するそうです。これは、遺伝と早期教育によるものです。…

Q.歌手には絶対音感があるのでしょうか。

A.そもそも、絶対の音というのはありません。高音としてのド、レ、ミはそれぞれに高低の幅もあるからです。歌唱上は最初に、一つの音やコードを聞いて、正しくその音を聞いてにあてる力と、一つの音に対し、次の音をおくということができたら困らないから…

Q.曲を仕上げるための工程や大事なことを教えてください。

A.一つの曲を仕上げるまでにもいろいろな工程がありますね。 音とりが完了したら、やっていただきたいことは、発声技術、曲の分析(音楽を感じること、自分の直感を信じて)、表現技術の三段階でアプローチしていただけたらと思います。 まず、詩を読んで曲…

Q.音程がぶら下がるのですが。

A.ヴォイストレーニングなどで、声が上達していくと、曲を歌うときに、音程が下がってしまうことがあります。それまでは、音感は悪くなく、何の問題も感じていなかった人ほど、おちいりやすいワナです。 曲を歌うとき、私たちは他の楽器と違って、喉で調整…

Q.ハイレゾなどで聞くときは、ヘッドホンがよいのですか。

A.ヘッドホンは聞くだけでなく、周りの音を遮断するから、その点では、もっとも音がよいのです。耳を休めるにはノイズキャンセラー付きがよいでしょう。密閉型でない方がよいでしょう。(♯)

Q.すぐに聴力を高める方法はありますか。

A.「耳をほじくってよく聞け」と言われます。耳たぶを耳を引っ張ること、ほじくるよりも耳を引っ張り上に引っ張ると聞こえがよくなることもあります。手を耳の後ろにあててもかなりよく聞こえるはずです。(♯)

Q.ダンスや軽音のクラブなどで全員が難聴にならないのは、はぜでしょうか。

A.好きだから、心身を動かせ合わせているからでしょう。(♯)