発声というのは、体全体で行う運動と捉えましょう。歌は、音楽のなかでも、スポーツや舞踊といった肉体をつかう芸術と類似しています。そこで体を使う分野での考え方がうまくあてはまることが多いのです。過度に緊張したり、ストレスをためたりすると、防衛攻撃態勢になり、お腹が固まり、呼吸も浅く速くなります。筋肉の酸素供給にとられるからです。だからリラックスが必要なのです。
体をいつも柔軟にしておくことです。それが自分の体、ひいては呼吸を思い通りに動かせるコツだからです。特に、首や肩の筋肉が凝っていると、声をコントロールする筋肉にも影響が出ます。マッサージしたり、柔軟体操をして体を柔らかくしておくことは、声をむやみに出したり、歌うことより、よほど大切なことです。毎日欠かさずにやりましょう。