発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3782.トレーニングに子音を使うとしたら、その子音と理由について(9)

A.喉だけで歌ってしまう状態から体を使って歌う方向にもっていくためのひとつの手段として、子音「F」を使うことが効果的です。「Fa」(ミレドまたはソミド)で練習をしますが、このFは上前歯が下唇に触れた状態で息を吐くと発音できる外国語の「Fa」です。(日本語で発音する「hwa」(唇は触れずに発音可能)の方ではありません。)「Fa」を歌うには、声が出る少し前に無声子音「F」を発音する必要があります。これには、「F」の準備をしっかりする=ブレスが遅れるのを防ぐ、「F」をしっかり発音する=歌い出す(声が出る)前にすでに体が歌う体勢になっている、といった効果があるのです。実際に歌ってみて子音Fが全く聞こえなかったり、または発音は「フワァ」となってしまう場合、いかに一音目の準備が間に合っていないかに気がつけるでしょう。準備されないまま唐突に声を出すと、喉に頼るしかなく、一音目をアタックしてしまう、声を喉で押してしまうなど喉への負担につながります。是非「Fa」の練習で、声が出る前に体が歌う準備をする’タイミング’を掴んでください。またどの子音にも言えることですが、曖昧な母音が入ってしまわないように子音(F)→母音(ア)への移行を瞬時に行なうことも意識してください。(♯α)