発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3458.オペラの発声はみんな同じでしょうか。

A.オペラは時代によって発声法が変わっていったということはご存知でしょうか。作曲家の作品がロマン派から自然主義派(ヴェリズモという)へ移行していく時、それまでの甘美な発声法から、より強い声が求められる発声法へと移り変わっていきました。最初に、胸声のハイCを出したとされるディプレというフランス人から始まり(それまではミックスヴォイスの発声だった)、カルーソーが現れて「アクート発声」が確立されたといわれます。ロマン派オペラから、より現実的な血なまぐさい表現を求められる現実主義オペラへの移行は、やはりより強靭な声が必要となったため発声法を一新することが必要不可欠となったということです。ロマン派ベルカントの発声法と、ヴェリズモの発声法は、ミックスヴォイス発声とアクート発声の違いと考えてほぼ同義です。