発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3202.「音域はどのくらい拡がりますか」

A.音域は正直、一概にここまで拡がるとは言い切れません。しかし、音域の捉え方はしっかりと持つようにしてください。
音声学には「低声区」「中声区」「高声区」に分かれます。基本的に低声区は持って生まれた声帯で決まってしまい、下にはあまり拡げることはできません。その代わり高声区で音域を拡げてあげるのです。
低声区と中声区は声帯を振動させた、いわゆる地声(喉声ではない)で音を作ります。しかし、そこには限界が出てきます。その音より上を高声区と捉えてください。このあとはすぐにファルセット、裏声といく方が多いですが、その前にジラーレという一種の鼻空共鳴があります。このテクニックを身につけると、4度くらいは出るようになります。その後、声帯の振動に限界が来たとき、ファルセット、裏声に移るようにするのです。
ですから、低声区から中声区で2オクターブほど、高声区のジラーレで4度ほど、ファルセット、裏声で1オクターブほど、と考えればおおよそ3オクターブ半くらいは出るわけです。これだけ出れば届かない曲はないわけです。
しかし、届けばよいというものではありません。音色に統一感を持たせることが必要です。(KD)