2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧
A.声そのものの次の段階で、声の使い方や機能的なチェックというのがあります。歌なら、発声や歌い方のことです。役者なら、せりふ、言い回しです。アナウンサーなら、アクセント、イントネーション、発音と、それぞれに訓練があります。ここでの判断は明…
A.大きな声が第一条件として必要だった、かつての役者や歌手などに、音響技術は別の可能性を与えてくれました。つまり、大きな声が出なくてもよい。トレーニングで大きな声にしなくても、よいということです。声は届かないと、伝えられませんから、どんな…
A.大きな声というのは、誤解されやすい表現です。必ずしも大きな声が遠くまで聞こえるわけではないからです。ですから、私は、通る声を目的にしています。つまり、ヴォイストレーニングを通じて、得るものは「通る声」であるということです。どんなに弱く…
A.大きく声が出るのは、楽器としての物理的特性からみると、出ないよりもずっとよいこと、恵まれていることです。これもトレーニングの目的として目指す結果の一つになります。どんなによい歌も、せりふも、目をつぶって心にひびいてくるなら、それは胸に…
A.目標を高く掲げないと、歌や声というのは、迷ってしまうものです。今のあなたでも、見せ方を工夫したり、つくり込みをしたら、プロの声や歌にみせることもできます。技術(音響、照明、装飾)の発達こそが、声の地力を奪ったといえるのです。(へたな人…
A.直接の目的は、パワフルで耐久力のある声をつくることです。真の目的は、すぐれたアートを生むために必要なハイレベルの、繊細でていねいな、声を完璧に扱える技術を身につけることです。そうでなければ、腹式呼吸も、発声トレーニングも不要になります…
A.たとえば、鼻声くらいの声量の歌も、扱えるようになったということなのです。昔は向こうのパワー(プロ=日常のパワー)にあわせようとしていたのが、日本人のローパワー、ローテンションでも、作品化が可能となったということです。これは、しぜんとい…
A.目にみせる方が、声や音で変化させるよりも、ビビッドに反応する日本の観客に対しては、演出家は、声よりもビジュアルの効果をとるでしょう。(私も演出家の立場であったらそうするでしょう)実際そのようにしたからこそ、ミュージカルでも、ダンスのレ…
A.バレエやダンスで世界のトップクラスにいく日本人が何人もいながら、声や歌の世界では、プロと言いながら、いまだ恥ずかしいくらい世界のレベルにおいていかれているのはなぜでしょう。音響装置の発達で、音をかなりつくりこめるようにもなって、それを…
A.アーティストがそんなことを言っては終わりです。聴衆が納得するレベルでなく、感動するレベルでやる、少なくとも、それをめざすべきです。日本のあまりに優秀なハード技術陣は、それをカラオケ機器というもので表向きに解決させてしまったのです。舞台…
A.人間は目が前についているためか、体の前側にはとてもよく意識が届くようです。腹式呼吸でお腹を膨らますなどは、慣れてくると、みなさんとてもよく、お腹を膨らませて呼吸ができるようになります。しかし人間は、平面でできているのではなく、立体です。…
A.鼻声のことを、一般に音楽用語で「ナザーレに」といいます。ナザーレになってしまうのは、いろいろな原因があると思いますが、速いテンポのときに、鼻声になるとのことですね。おそらく考えうることは、支え不足であるということです。 本来ならば、声帯…
A.日本人がまず、英語の歌を歌うときに気を付けたいことは、日本語と英語の母音の違いに着目することだと思います。 「ア」母音一つとっても、英語の母音は単語によって数種類の「ア」が存在します。「明るい、開いた感じのア」「暗い、閉じた感じのア」「…
A.私は、少なくとも最悪の状況において、そのギリギリに耐えうる声でありたいと思っています。それゆえ、もっぱら鍛えることに重点をおきます。最低レベルを上げるために、目的とするレベルは最高に高めておきたいと考えます。そうしないと、トレーニング…
A.声はみえません。音声は、聞こえないところでは働きません。ヴォイストレーニングでパントマイムの役者を引き受けたことはありませんが、あればおもしろいし、意味もあると思うのですが。あの動きを声でやってみるのです。(♭)
A.私は、トレーナーとしては、まず音の世界の中だけで厳しく声の世界を判断します。ミュージカルや演劇関係者からは「舞台を歌だけ、ましてCDで判断されては困る」と言われるかもしれません。声は、役どころや状況の中で使われるからです。表現(全体、視…
A.ことばのない感嘆詞、悲鳴、怒声などにも、また音楽的演奏力、声を楽器として捉えたときのノンバーバル(非言語的)なものでも伝達できなくはありません。しかし、ともに状況において、ごまかしが効きやすいのです。ですから、マイクなど、まず、音響技…
A.トレーニングのモティベートのためにも、ある程度は、早くトレーニングの効果がみえる方法も入れています。 体から息、息から声ということを考えますが、それと同時に、舞台で必要な声、それを支える息、それを支える体という方向でも考えてもらいたいと…
A.それでは、最低ラインさえクリアしていれば何でもよいとなりがちです。全体のレベルが低いと、あるいは他のことが優先されると、声はいつまでも後回しで、鍛えられも磨かれもしません。そこでは、声の磨かれる条件の比較的整っている人は、無理した発声…
A.従来の訳詞(日本語訳)では、一音符に一音をつけるようにしてきたためです。原曲での詞の内容の量が日本語の訳詞をつけると、半分くらいになります。 一つの音符で、ベルとなっているところを、「ベ」とつけて、次の音符に「ル」をつけていたら、二倍の…
A.日本語は、単調で、強弱でリズムが出ないため、字余りや字足らずで、リズムを出そうとします。五七五七七は、本来、(五音と三休)(七音と一休)で、休みも数えて8音分です。ビートたけしのさんの「赤信号 みんなで渡れば こわくない」は、6+8+6…
A.日本人は農耕民族ですから、鋤や鍬で耕すとき、「おイチニ、サンシーの」とか「一、二の三、四(イチニノサンシー)」と偶数拍でとりました。一方、騎馬民族は、馬のリズム(ダーンダダーン)の三拍でとっているといわれます。舞踏、ワルツなども三拍子…
A.私は、舞台に立つ人は声楽家であれ、声優、ナレーター、アナウンサーであれ、発音や歌唱トレーニングの前に徹底した言語対話能力をつけるように強くお勧めしています。表現から考えると、パフォーマンス能力、ボディランゲージなども必修です。舞台とい…
A.輸入した文化や技術ということなら、その形に足元をとられないことが大切です。自分の述べることばの声の力をつけて語りましょう。それで相手に伝え、伝わるようにし、相手の心を動かしましょう。それが表現の基礎です。これは、音響技術のサポートのあ…
A.伝わるかどうかは、第一に母国の言語で表現してみることをお勧めします。日本語であるからこそ、日本人としてわかるからです。発声ということなら、外国語、たとえばイタリア語から入るのもよいでしょう。声楽も、人間の声を出す原理に基づいた一つの理…
A.少し大きな声で、強く言い切ると角が立ちかねない、大人げのないと思われる日本では、常にあいまいに語尾を濁し、うやむやにします。 このような日本人のコミュニケーションの仕方は、見方を変えると、言語を介さない腹と腹との高度なコミュニケーション…
A.外国人が日常で生活しているなかでやっていることが、日本人にとっては演劇の養成所で習得すべきことだと言ってもよいでしょう。外国人は20歳で20年のヴォイストレーニングをやってきているように私は思っています。それに、表情トレーニング、ボディラ…