発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

19.ヴォイストレーニングの考え方

Q.即興的に効果を上げる感じが、稽古にはないのですが。

A.そうですね。このメニュですぐに効果が上がるとなると、それはトレーニングメニューであって、稽古とはあまりいわないかもしれません。 稽古と練習というのもニュアンスが違います。練習は、トレーニングの意味で使われることが多いような感じがします。…

Q.トレーニングと稽古とは、どう違うのですか。

A.使う人によって違うとしか言いようがありません。ただトレーニングというのは1つの目的に対してそれを最短で効率よくなし遂げていくためのプログラムのような感じです。それに対して稽古は、日々、同じことを繰り返している中で、何かしら総合的に深めて…

Q.歌のレベルアップをヴォイトレで考えたいです。

A.すぐに限界がきてしまう歌声に対して、ステップアップということを考えたときは、ヴォイトレがお勧めです。しかし、大体の場合は、歌いながら声が出てくるわけですから、なかなか理想通りにもいかないのです。それなら、ある程度、基本的な発声を得てか…

Q.トレーニングとその効果の判断に迷います。

A.そのときにプラスになっているのかマイナスになっているのかは、簡単にはわかりません。それでも、できるだけプラスになるときにプラスにし、マイナスになるときは、よりマイナスにならないように休めるとか、よりマイナスになるのを少なくするというこ…

Q.声が弱いのですが。

A.声の弱い人は、病弱な人や歳をとった人がトレーニングをすると考えてみるとよいかもしれません。 やりすぎることによって、うまくいかなくなって中断することのないように、無理をしないように、少しずつ耐久性をつけていくという考え方です。 その判断…

Q.声量、声域が限界と言われました。

A.声量、声域とも、自分の能力を超えた部分では、どうしても限界というのが出てきます。 限界に関しては個人差があり、個々に判断しなければなりません。誰かが何年かトレーニングをしたからできたといっても、自分も同じようにできるとは考えないようにし…

Q.いつも、やり過ぎて注意されます。

A.エネルギッシュにやる気満杯でのやり過ぎはよいことです。過剰は押さえられます。不足こそ補わなくてはいけません。これまでの考えに囚われず、自分なりに追求して打ち破っていくことです。

Q.レッスンを使う意味は、何でしょうか。

A.早くできること、速くでなく効率よくできること、そのために便利な存在がトレーナーで、その手段がレッスンとみなされがちなのでしょうか。便利とは、早くできること、確実にできることです。技術などと言われるのはその対処法の一つです。 でも、人が競っ…

Q.メニュがたくさんあって、混乱します。[E:#x2606]

A.メニュをすべて使わなくてはいけない、終わらせるものと考えなくてよいでしょう。本当に必要な一つか二つのメニュがあればよいのです。他は、余分なものを捨てるために使うのです。無駄か有用かも考えなくてよい。考えないために数えきれないほど無駄をす…

Q.ノウハウをどう身につけるのですか。

A.レッスンの目的は、ノウハウを身につけるのではありません。身につけたものがノウハウと呼ばれてしまうこと、ノウハウとさえみえなくなることです。ノウハウとして切り出せるもの、メニュやマニュアルなどは、大して、他の人に通じないのです。わかりやす…

Q.ヴォイトレの本やレッスンで、できるようになりますか。

A.本やレッスンについていうと、碁やサッカーなどと同じです。ルールや成り立ちについて知ることで、初歩的なプレーを楽しむことはできます。本もレッスンも、そのためにあるものでしょう。 「誰でもすぐに、何でも、できるようになる」などと言うところで…

Q.目標が決まりません。

A.目標がそう簡単に立てば、それはもう実現したも同然ですから、目標と計画が大切でしょう。目標がある方が必要性、優先度、モチベーションなどによいのは確かです。一つは行動することです。目標を決めるという目標でレッスンをスタートすることでもよいで…

Q.見本を忠実に学べばよいのですか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.見本は、手本でなく、一つの叩き台、タッチと言っています。最初は、何かしら基準を与え、まねさせるというのが一般的な教え方です。初心者なら、わかりやすいサンプルとして使うのです。 でも声には、最初も初心者もない。顔に不正解がないのと同じで、そ…

Q.メニュは何のためにありますか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.メニュは、声の動きとしての基本のフォーム、これを型といいます、それをつくるためであり、また、それから自由になるための型ということです。これまでもバスケットやボールや素振りなどで説明してきました。 型というのは、形と違ってフォーム、動きの一…

Q.スランプについて、どう乗り越えますか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.「お前ごときでスランプと言うな」これは、あなたに対してではありません。自分自身に対して思ってきたことです。一流アスリートやアーティストのスランプの話を聞いてみてください。 できたことができなくなったのがスランプですから、私などにはスランプ…

Q.どの声だけが使えるのか知りたいです。

A.そんなに整然としたものを求めるのは止めましょう。無理無駄を省きたいのはわかりますが、ここは一人ではできない無理無駄をするところとして使って欲しいのです。今の自分のものを限定したらもっと狭くなります。今の声でどの声が使えないなど決めつける…

Q.専門家に何度も診てもらって、トレーニングで少しよくなっても根治しません。

A.喉や声帯だけを部分的にみても、何ともならないということです。その上で応急の処置や限定された対処をするのはやむを得ないとして行うとしても、本当の問題は別にあります。根本的な解決は、全身からと時間的経緯から、両面で考えるべきことです。 オーソ…

Q.喉の筋トレを教わっています。

A.ウエイトトレーニングのように、部分的な負荷をかけるのは、あまりに荒療法です。ヴォイストレーナーの勧めるものではありません。全身に均等に負担をかけて、呼吸も発声もバランスよく無理せず深めていくことが原則です。

Q.先輩のアドバイスで混乱しています。[E:#x2606][E:#x2606]

A.技をことばにできるのは熟練者だけといわれます。なまじ中段階では、ことばにすることで上達を妨害してしまうことが多いようです。 「規矩作法守りつくして破るとも離るるとても本(もと)を忘るるな」(利休、道歌) 「心はそれ自身を組織化することに…

Q.あまりアドバイスをしてくれないトレーナーはだめなのでしょうか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.トレーナーさえも消えているのが理想のレッスンです。なら、一人でやればよいのでしょうか。いえ、トレーナーが場を作っているからこそ、声が導き出されるのです。 トレーナーが教えないどころか、そこにいないとなると、スクールに通うような人からは、こ…

Q.どこでやっていくと、学び上手でなく世の中に通じるようになりますか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.シンプルには、厳しいレッスンのあるところでやっていくことです。自分に合ったところ、合うトレーナー、合うやり方というのを望む人が多いのですが、やれていないのなら、自分に合うことよりも、世の中に通じることの方が優先ではないでしょうか。今、世…

Q.どんなメニュや、どんな方法がよいでしょうか。

A.どんな方法やメニュもどれがよくて、どれがダメということはありません。短期的にみて、片方は少しよくなり、もう一方は少し悪くなるのを、よいもの正しいものと、悪いもの、間違ったものに思っているのです。本当は、どちらにもメリット、デメリットがあ…

Q.すべての人におすすめの方法はありますか。

A.万人に当てはまるトレーニング方法などありません。自分に合ったものをみつけましょう。トレーナーは、その手伝いをしていくのであり、当てはまらないものを無理に当てはめるものではありません。

Q.理想的なトレーニングで、留意することはありますか。

A.1.あるがまま、何も行われていないことでよしとする。 2.判断、比較、非難、評価もない、決断もしないものとする。 3.自ら悟るようによくなるものとする。 欠点の補充と成長は違います。 ステージの次元をあげ、至高体験からのアプローチするのが理想です…

Q.どうすれば変われますか。

A.変わるには手順があります。 1.すべての状況は、自分がつくり出していることを自覚する。 2.とはいえ、それも元々は、他のことからつくり出されていることも多いと知る。 3.ここに留まりたい、このままが楽でいられる、というところから思い切って、これま…

Q.ヴォイトレのサービスのよし悪しの判断がつかないのですが。[E:#x2605]

A.例えば、日本の医療に、高級なサービスというのはないです。サービスとは、技術そのものでないのです。病院では、お金によって個室に入れるサービスはありますが、治療の時間や手術内容は変わりません。タクシーと同じで、技術料は、均一です。 サービスと…

Q.皆に、共通の上達する方法はないのですか。

A.話なら話すこと、歌なら歌うことでしょう。そのなかで本人が、使ってうまくいったと思う方法があるとしたら、それを使えばよいのです。しかし、それが上達を制限してしまうこともあるのです。方法とは、常にその人の方法であり、その人の方法でしかありえ…

Q.誰にでも通用する、科学的な上達法というのは信用できますか。[E:#x2606]

A.人は、生きもので、個別に違い、特殊です。それは、ハイレベルで問うほど、もはや同じことは一つとないものとなります。元より、原点から違う、だからこそ、そこに価値の差はなく一人ひとり尊いのです。 それを科学のように普遍化し、単純化するのは、乱暴…

Q.質を高めるのに、科学的手法を使いたいと思いますが。[E:#x2606][E:#x2606]

A.わかりにくいかと思いますが、科学は、質を使うのでなく、量で考えるものです。ですから、数式などでクリアにできるのです。文明は便利なものを産み出し、増やして普及させます。それを数えて多い方をより豊かとみるのは、そういう見方です。 しかし、人間…

Q.独自の発声理論は信用できますか。[E:#x2606][E:#x2606]

A.仮説なのか実証したのかによります。声に関することですから、本人だけでなく、同じことを行った相手がどうなったかということです。治療はともかく、トレーニングなら、5年、10年、20年と、その先を、その人の人生で得たもの、成し遂げたものをみていかな…