発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2419.口は大きく開けたほうがいいのですか。

A.何を目的に口を開けているのかにもよりますが、基本的には開けすぎるのは発音のじゃまになります。しかしトレーニングによっては、口を大きく開けることもあります。トレーニングとして開ける場合は、表面的に口を開けたいわけではなく、口の中を広げたいために、開けてもらうことがあります。あくまでも口の中を開けるために、口を開けるのです。
口を大きく開けて、声を出しているうちに、口の奥や口の中を広げることに慣れてきます。そしてその形を覚えていってほしいのです。頭ではなく、感覚として覚えていくのです。そしてその状態が慣れてきたら、表面的な口を閉じていくのです。発音のために閉じていくのです。
 
 初めから発音のことを意識しすぎて口を開けない状態で声を出していると、声自体も浅くなってしまいます。口の集中が広がっていないため、ひびきが深くならないのです。だから発声のことを考えるなら、トレーニングの段階では、口を開けることもありうるのです。
ある劇団では、新人に対して、とにかく口を大きく開けて、大きな声でしゃべることを練習させているところもあります。これは、セリフの練習というよりも、口を大きく開けることで自我を取ったり、恥ずかしさを取ったり、または体作りのためにさせているのだと思います。だから最終的にはそのしゃべり方で、舞台に立つことはないと思うのですが、その時期は役者の基礎を身につける時期ということで、そのようにさせることもあります。