発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

02.呼吸

Q.呼吸筋の筋力というのは測定できるのでしょうか。☆

A. さまざまな筋肉が複合的に働いているので、一つ一つを直接測定することができません。そこで、口腔内圧の最大値を、圧力計を接続したマウスピースで測るようにします。鼻はノーズクリップで留めます。人間ドックでも、オプションであります。呼吸の最大…

Q.肺胞は、病気などで損傷すると再生しないでしょうか。

A. 長らくそのように言われてきましたが、今後は、i PS細胞などを使って再生する道が開けていくように言われています。

Q.肺胞は、病気などで損傷すると再生しないでしょうか。

A. 長らくそのように言われてきましたが、今後は、i PS細胞などを使って再生する道が開けていくように言われています。

Q.肺機能検査とは何でしょうか。

A. 一定濃度のCOが入った混合ガスを思いっきり吸い、10秒、息を止めた後に、COの減り具合、つまり、身体に吸収された分を調べます。それが肺拡散容量です。運動により増加することも知られています。

Q.なぜ、肩で息をするようなことが行われるのでしょう。

A. 激しい運動を行うと、急速に呼吸をする必要に迫られます。頸部に胸鎖乳突筋や肩の斜角筋、僧帽筋などが、普段の呼吸に加えて、動きます。これらは補助呼吸筋です。外肋間筋で肋骨を上げている胸式呼吸に加えて、動くため、肩が動くのです。

Q.鬼滅の刃の、何々の呼吸は、何に役立っているのでしょう。

A. いろんな呼吸法を使うことで身体能力を増すわけです。目的は鬼を倒すということですが、自分の能力を最大限に発揮するために、呼吸が要になることはよく知られています。

Q.呼吸は肺でなされているのでしょうか。

A. 多くの場合、お腹で呼吸と言われていながら、実際に肺で呼吸することは広く知られています。しかし、最も重要な役割を果たしているのは、肺胞であり、その通り道である気道なのです。肺は、気道の気管支と肺胞を包む袋に過ぎません。

Q.肺胞はどこにあるのでしょう。

A. 気道では咽頭から喉頭へ進み、前曲して気管へ送られます。気管は、第4・5胸椎あたりで、2つに分かれます。この先が気管支で、左右の肺に向かって気道が細くなっていきます。23から25回、枝分かれをして、この先に袋状となった部分が肺胞です。

Q.どうして、いつも何もかも、どこでも呼吸と言われるのでしょうか。☆

A. 呼吸の大切さというのはなかなか理解されません。しかし、ほとんどの問題の基本的なことは、この呼吸がしっかりとできてないことから生じます。声や歌も、その1つです。呼吸は、唯一、内臓器官の中で意識的に変えることができるのです。音声のエネルギー…

Q.呼吸は身体だけでなく心にも関係しているのですね。

A. 呼吸を変えることによって、心身が変わることは、古くから広く知られてきました。健康法から、トレーニング法まで、広く、応用されています。宗教などにも深く関わっています。

Q.呼吸と心身の関係を表す言葉には、どういうものがあるのでしょうか。☆

A. 阿吽の呼吸、息が合うといったコミュニケーションもあれば、息を呑む、息が詰まる、息もつかず、息を抜く、息が長い、息を潜める、など感情や気持ちを表したり、動作を象徴するものもあります。

Q.呼吸法によって何が改善されますか。

A.呼吸がよくなると、あらゆるトレーニングやストレッチ、ダイエットやボディーメイクなどにプラスの効果が現れます。代謝機能が高まり、心身の状態が良くなります。

Q.最終的に正しい呼吸とは、どのようなものでしょう。

A.理想的な呼吸法、正しい呼吸法というのは、1つに定められるものではありません。トレーニングで身に付けるのは、主に安静時の腹式呼吸ですが、それ以外の呼吸、胸式呼吸なども必要です。運動中と睡眠中の呼吸は違いますし、安静時も違います。その状況に応…

Q.努力時呼吸とは何でしょうか。

A.運動が激しいときの前後の呼吸を指します。安静時の呼吸では、横隔膜、肋間筋、腹筋群、骨盤底筋群などが使われますが。そのときは、首や肩、鎖骨周辺の筋肉、背筋なども使われるのです。その状態が続くと、筋肉が疲れて、肩や首、頭の痛みなどになります。

Q.呼吸機能をチェックするような簡単な方法は、あるのでしょうか。

A.例えば、鼻をつまんで呼吸を止めて見て、息を吸いたくなるまでの時間を測ってみる。40秒以上が理想です。息を止めてみる、これも60秒以上が、理想です。理想状態でなくとも、健康上問題はありません。呼吸の能力がある人は、理想の状態かそれに近いように…

Q.息をするときに、お腹の前が出ると腹式呼吸ができていることになりますか。

A.それは、よく誤解されているのですが、あまりよい呼吸とは言えません。深い呼吸の場合は、お腹の横や後ろの方まで360度、関係します。寝転んでみて、両膝を立てて、手を当てながら確認してみるとよいでしょう。そのときに呼吸をしてみて、お腹が上に膨らん…

Q.脳と呼吸との関係を教えてください。

A.脳に必要なのは、酸素とブドウ糖です。全身で消費する、20〜35%の酸素とグリコースを消費します。もちろん、五感からの刺激も必要です。ただ、酸素がなければ、すぐに障害となり、死につながるのです。呼吸は、飲食よりも重要とさえいえます。脳が酸素不足…

Q.アスリートと呼吸とはどのような関係があるのでしょうか。

A.呼吸は心身を劇的に変えます。一流のアスリートは、すべて、しっかりと深い呼吸ができています。成績が安定しない人、怪我の多い人は、結構、呼吸に問題があることが多いのです。

Q.深呼吸は、大きく口を開いて、新鮮な空気を体にたくさん吸い込むことなのでしょうか。

A.たくさん吸い込むというようには考えない方がよいでしょう。それでは、呼吸過多になります。気道も狭くなり、身体が酸素を取り込む能力が低下します。血管が細くなり、充分な酸素が筋肉や臓器に行き渡りません。脳がそうなると大変なことになります。

Q.呼吸がうまくできていないと現れる症状はどういうものでしょうか。

A. すごくわかりやすいところでは、呼吸が苦しいとか乱れていると感じられることです。疲れたり集中力がないこと、手足の冷えやしびれ、常に口が開いている人もこういう傾向が強いです。

Q.深い呼吸をすると、身体中に酸素が行き渡るのでしょうか。

A.それはイメージに過ぎません。いくらたくさん呼吸しても、必要な分だけしか組織には酸素が取り込まれません。使われない分は肺に戻ってきます。

Q.いきむことで、大きな力が出るのはなぜでしょう。☆

A.いきむとは、息を吸った後、腹筋を収縮させて息を吐こうとしながら止めることです。腹腔内の内圧が高まり、体幹を強く固定することができます。大きな声を出すのも、このことと連動しています。

Q.呼吸で、ランナーズハイみたいなことを感じられますか。☆

A.神経伝達物質であるセロトニンが、ゆっくりした呼吸の繰り返しで分泌されると、精神的に安定しリラックスできるでしょう。しかし、高揚感をもたらすようなβ-エンドルフィンや内因性カンナビノイドといった脳内物質は分泌されませんから、ハイにはなりにく…

Q.呼吸のトレーニングによって、呼吸数を増やし、速くできるようにするとよいのでしょうか。☆

A.呼吸数を増やすのではなく、呼吸をゆっくりとできるようにすることの方が大切だと思ってください。呼吸筋が働くにも酸素が使われるのですから、できるだけ効率よく、酸素を取り入れた方がよいのです。トレーニングで速く吐くトレーニングがあっても、その…

Q.少し吸ってたくさん吐けるようにすることがよいのでしょうか。☆

A.ニュアンス的にはそうかもしれませんが、吸わないと、その分しか吐けないのですから、瞬時に吸気してゆっくり均一に吐くことができるというふうに捉えた方がよいでしょう。呼吸というのは、吸気と呼気で、その時間や換気量のスピードには違いがあります。…

Q.呼吸で取り込まれた酸素はどのぐらい体で使われているのでしょうか。☆

A.驚くことに、4分の1くらいです。つまり、肺の肺胞で、新たに酸素と結びつくヘモグロビンは、4分の1で、4分の3は、動脈から静脈を通ってそのまま肺に戻っているということです。

Q.呼吸と骨盤底筋群の関係を教えてください。☆

A. 腹式呼吸の場合、横隔膜が下がり、お腹の内臓が圧迫され、下がります。そのときにお腹を下から支えるのが骨盤底筋群です。内臓を押し返すわけです。それで腹部の圧迫が高まり、この圧迫の力が骨格の代わりに体幹部を支え姿勢を維持します。ですから、腹…

Q. 呼吸と一酸化窒素はどういう関係があるのでしょう。☆

A. 鼻腔から一酸化窒素が分泌されています。これが、鼻呼吸が大切ということを、さらに高めました。この作用により、血管が拡張し、体温が上昇し、リラックスもできるのです。鼻呼吸によって空気が鼻腔を通ることでのみ、肺や血管に、一酸化窒素が流れると…

Q.ふいごのように呼吸をしなさいと言われました。

A. いわゆるバストリカ呼吸法ですが、これは、強制的に空気を出し入れします。早く行うことで、内臓、腸のところまで刺激を与え、温度を上げ、血液をきれいにし、血行がよくなるような効果があると言われています。副交感神経を優位にするのです。

Q.お腹をへこませて息を吐くのはよくないと言われました。

A. 目的にもよります。心を安定させるようなときには、そのような方法で、呼吸をゆっくりすると、血中の二酸化炭素の濃度が上がり、脳内のセロトニン分泌が促されるので、心が安定します。歌ったり台詞をいうときとは、目的が違います。