A.歌や声楽の教師という人の中には、自分が指導するレッスンを録音しないでほしいという人もいるようですが、私は断然録音することを生徒たちに勧めています。特に、レッスンを始めて間もない人は行った方がいいと思います。できれば、なるべく性能がいい録音機器で行うこと。その方がより違いがわかるからです。私がなぜ録音を勧めるかというと、(特に初歩の段階では)生徒がいいと思う声とトレーナーがいいと言う声の差が大きいからです。そこが歌の難しいところでもあります。
歌は体が楽器であり、体の中のことですから客観的に自分を知るということが、とても重要になります。生徒がいいと感じる声というのは、自分に感触があるわけですから、それはどこかに力が偏っていたり体の中に篭っていることが多く、体の外には出ていないということになります。声が人に伝わるためには、体の外に離れないといけないのです。そうして、録音の助けも得て、だんだんとトレーナーがいいという声と自分がいいと感じる声の差を縮めていきましょう。(♯Θ)