発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1799.一言で、研究所では何が違うのですか。

A.基本的な考え方、他との大きな違いは、声の一番、原点のところまで戻していることです。私は、いくつかの学校の設立や、トレーナーの指導にも呼ばれて行くことがあります。
 ヴォーカルスクールでは生徒をみても何年いるのかよくわからない。歌をみても声をみてもわかりません。歌は20歳までにつく力の差が大きく、学校に1~2年行っても、そこで一番の人を追い越すということはなかなかできません。勘や音楽性に加えて、声を操る能力も必要です。
 トレーニングで変わることはたくさんありますが、その人が生きてきた中で、特殊な経験としてよいトレーニングを積んできた人にはともかく、そうでない人にも劣るということであれば、そこまでの生き方の中での音や声の受け止め方と、その使い方のところからみていかなければいけません。
 みんなゼロから始めると思いがちですが、声や歌の世界は、日常にそのままあります。生きている限り、息や声は使ってきています。他の学校に行って、その学校でうまくいかなかったからやるのではなく、そこでうまくいかなかった理由は何か、うまくいった人もいるではないかと、事実をきちんと見なければ解決もしないし、それまでの年月も無駄になりかねません。

 歌い手や役者は、その人が生きてきた人生でいいことも悪いことも、その人の世界になります。偉い先生に10年20年ついていても、音一つとれない人もいます。特別なことはせず、すごく歌える人もいます。その人の中に入っているものは非常に大きいです。それに対して感度というアンテナをつけていくのです。