発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3440.自主トレーニングについて(3)練習量

A.よくまちがえる生徒さんが多いのが、筋トレ的な内容の継続時間です。より辛く苦しい方が、効果は上がりやすいのですが、それは、一回一回の強度が大切なのであって、時間的な長さをめざすと、かえって一回ごとの強度がより弱くなっていくことにつながり、苦しいばかりで逆効果にさえなってしまいます。
最大筋力の9割程度の力を8回ほど繰り返して出し、あるいは15秒程度出し続けることを1セットとして、3~7セットを一度に行なうことで、筋力はアップしていくといわれています。(セット間の休憩は1分程度)
例えば、がんばって8回繰り返すことを目標にしていたのが、楽になってきたので、10回、20回、50回、100回・・・と回数を増やしてしまうのは、筋持久力のトレーニングにはなっても、筋力のアップにはならないのです。楽に8回繰り返すことができるようになったら、がんばらないと8回繰り返せない強さで、8回がんばることが、正しい取り組みかたです。
以上のことから、筋トレ的な内容に要する時間は、それほど長時間ではなく、また、あまり増加していくものでもないことが、わかると思います。
テクニック的な内容のトレーニングに関しては、経済的・肉体的・精神的に時間の許す限り、長時間になってもかまわないでしょう。むしろ、あまり短時間では、なにも効果が期待できないかもしれません。
少し変わったところでは、1回15分程度のトレーニングを、1日に何回も、1時間程度ごとに実施するのがよいという先生も、います。声の持久力的な面や、喉や体の状態の日常生活の中のさまざまな時間帯やシーンによる変化に、対応できるようにするという意味では、なかなか啓発的な方法だと思います。