発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3603.歌とお芝居との接点を教えてください。

A.表現者であるという意味では同じですが、その表現の仕方が違います。

歌手は音楽を使い表現していきます。日常とは違った世界観で人の心に届かせていきます。メロディであったり、リズムであったり、歌詞であったり。俳優は演技で表現していきます。セリフを使い、作品の中で演技していきます。セリフ自体は普段日常で話していることばです。

このように多少の違いはあるのですが、根本的に表現者である以上、お客さんの前に立ったときのスタンスは同じはずです。お客さんに感動を与えたいとか、幸せになってもらいたいとか、何か人生の糧にしてもらいたいとか。ですからそういう意味では、同じ職業ではありますが、表現方法が違うため、同業者ではないとも言えます。

たとえばミュージカルであれば、歌もセリフもあるため、両方を行なうことになりますが、ミュージカルの中での歌とポップス等で歌われる歌が、同じ性質のものかと言ったら、それは違いますし、ミュージカルの中で音楽が流れている中でのセリフ、またはメロディが少しあるセリフと、新劇のようなお芝居の中で語られるセリフも同じではありません。

歌とセリフを両方もっているミュージカルでさえ、歌とセリフが歌手や俳優と違っていることもあるのです。厳密に言うと、そうなってしまうのです。

しかし歌手であれば、俳優から学ぶこともあるでしょうし、俳優が歌手から学ぶこともあるはずです。表現者でありながら、異分野の表現者ということで、同業者よりも学べることが多かったりもします。

歌手は俳優から演技やその世界に入ること、役になりきることを学べますし、俳優は歌手から音楽の自由さ、オリジナルであれば自己表現を学ぶことができます。

そうであるならば、お互いのよいところを積極的に学び合っていくことこそ重要なのではないでしょうか。(♭∞)