A.私は音もことばも本当は一つの線上で扱いたいと思っています。「プ」と出した音色、これが発声です。「プー」と伸ばしたらフレーズです。この音の色と線でその人のベーシックな能力は案外とわかるのです。しかし、ポップスのステージや歌は、そのベーシックな能力が必ずしも必要とされません。
バレエができなくてもダンスは踊れるし、シコを踏めなくても格闘技はできるのです。マイクを使わない世界ではこの基礎能力は、やはり大事です。さて、音を発したときの共鳴管の形で母音は決まります。つまり、音にしてから母音にするよりは発声と同時に発音されるのです。子音はそれを妨げたり、発音しない(有声化しない)こともあるので別です。
「アイウエオ」と5つの発音があるのでなく、音の高さは440Hz、440.00…Hz、441Hz…と途切れなくあるのに平均律で(「ラ」「シ」のシャープ、「シ」「ド」)半音ずつ上がるように「アーイ」、「アーウ」、「イーウ」の間にいろんな音があります。ことばでない、このなかのすべての可能性からはいるために、イタリア語などを使っているのです。(♭π)