発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4494.声を指導するにあたり、注意すべきことは何ですか。(5)~(8)

A.声を指導するにあたり注意すべきことは、歌っているとき息がスムーズに流れているか、声の響きやすいところに声が当たっているか、首や肩、背中あたりがリラックスできているかを意識してもらうことです。息が自然にスムーズに流れ、声が自然にでることは一番重要なところなので、生徒さん自身がその感覚を掴むまで丁寧に根気よくレッスンしています。しかし、ここが一番肝心で、一番難しいところですので時間もかけます。その感覚が少しずつ身についたところで、声の響きのスイートスポットを探していきます。スイートスポットに声の響きがはまると、自然に声が前に出て行き、楽に歌えるようになります。
その時、大きな声で歌うのではなく、あくまでも中くらいの声以下で声の響きが息の流れによって増幅するように指導していきます。
(♯Δ)

A.指導する生徒さんの体調に留意するようにします。生徒さんは少しぐらいなら無理してレッスンを受けにくることが多いのですが、少しの無理が後々の大きな不調につながることがあります。ですから、生徒さんのちょっとした声の変化を聞き逃さないようにしています。(♯Λ)

A.「楽器である身体を使って声を出す」ということを主軸として指導にあたっています。その上で、主観的に聞く自分の「声」だけに捕らわれ過ぎていないか、ということを注意して見ています。声は喉から出てくる、喉(または声帯)を鍛えれば強い声になると捉えている方、またはすぐ声が枯れてまう、声に持久力がない、自分の声が好きになれないといった悩みを抱えて来る方など、どうしても「声」だけに焦点を当ててしまいがちです。これらの多くは、喉だけで頑張っていたために起きているのです。
例えば、当たり前のことのようですが、声を出す前にまず姿勢よく立つ(または姿勢よく座る)、よい姿勢で声を発してみる、ということが必要です。姿勢の悪さや、声を出すときの余計な動作が、自覚している以上に声を出しにくくしているのです。また、息を吐くから声が出ていくのだ、ということもしっかり捉えるべき点です。今まで小さな喉に全てを担わせていたところから、きちんと身体を使って声を発するようになると、先に述べたようなことは改善していきます。(♯α)

A.正解を一つだけにしないことです。
発声として正しい出し方はありますが、人により欲しい声が違う場合があります。その人の声をよく聞きます。日常どれくらい声を使っているのか、使っていないのか、質疑応答のときもどんな声を使って話しているか、ということも聞くようにします。
発声として間違っているような音質でも、日常的に自然に使えているならそこからのばしていく方向も考えます。
そしてどんなに、発声が悪くても小さくてもいいところを探して「ここはとてもよいです」 と伝えるように努力します。夢中になって学んでいると、時として「よいところ」「できているところ」がよくわからなくなり、できていることすら手放してしまうこともあるので。自分の声のものさしに無理やり当てはめないことです。
(♯Γ)