A.私のところに黒人のトレーナーは数名きていました。彼らは皆、生徒の声を声質と使い方のバランスでみていました。バランスのよいのがよいというのは、完成形からみる見方です。つまり、鍛えるとか変えるとかでなく、選ぶ、調整するという演出家、プロデュース型のトレーナーなのです。向こうでは二十代で一からやらなくてはならないような人は歌手などを目指すことはできません。彼らは私の声をとてもほめていたのですが、シンガーとなると、音楽の演奏レベルでその質と使い方こそが問われるものです。その点、彼らは一流ではなくてもそこそこのシンガーといえました。(♭)