A.おなかとは、ここでは、丹田、下腹など抽象的な概念ではなく実際の筋肉としてとらえてみましょう。腹斜筋、腹直筋、腹横筋がおなかに当たる筋肉です。
腹直筋は、シックスパックということで目にしたことがある人も多いと思います。恥骨から肋骨の真ん中ぐらいまでと長い筋肉です。それと同じ長さだけ腹斜筋がまとわりついています。腹横筋は内臓の上についている筋肉です。この3つの筋肉がおなかに当たるわけです。
恥骨から肋骨の下半分までを長くとらえて声を出してみてください。胸がそりすぎてはいけません。
おなかの土台となる腹横筋が働き、腹直筋を長くすることで、そこを足場とした腹斜筋が働き、声を支えるための筋肉が保たれます。
おなかの前側だけでなく、腰側にも目を向けてみましょう。ろっ骨の一番下と骨盤をつなぐ腰方形筋という筋肉があります。これがうまく働けばその上の肋骨たちにいい影響を及ぼすことができます
腰を少し後ろ下方向に引くようなイメージで声を出してみてください。ここでは、局所的にどこか一つ力点をおくというより、体全体が相互に作用して助け合い支えあうという、まるで自分が球体になったようなイメージをもつことです。