A.まず、確実に強拍に踏み込んでから、アフタービートにのって放すグルーヴの動きを捉えておきます。音楽、曲、リピート、リズム、グルーヴ、音色中心の動きなどを意識します。
1音の音のタッチに音色が出て、次に2つ目の音との関係で音楽の演奏が始まります。タッチとは、その人の表現のやり方といえます。これを一曲で描いていくのです。
一方で、フレーズをよりよく聞かせるためには呼吸の流れに声をうまくのせることが大切です。トレーニングにおいては、ブレス(息つぎ)を少なくして、なるべく大きなフレーズ感で捉えましょう。実際のヴォーカリストの歌ったフレーズよりも、スピードをおとさずに大きめのイメージに読み込んでいくことです。
当然、これで一曲、通せるはずはありませんが、トレーニングでは、部分を拡大し、課題にして、力がつけばよいのです。容易に歌いこなしてクリアしてはいけないのです。つまり、楽譜を歌うのでなく、そこから、その歌の本質を取り出し、自らの呼吸で流れをつくり、音楽たらしめていく。その一端だけ経験し、体と感覚に、自らの声の動き、呼吸とともに入れていくのです。
フレーズの中では、出だしから次の音へのつなぎは、そのあとの方向性を決める大きなポイントです。もちろん、そのフレーズのまえの息(ブレス)もこれに深く関わってきます。
フレーズの間では、曲想によって微妙に変わるテンポの揺れなども大切ですが、歌の場合は、あまり細かく考えず、大きな流れの中にきめこまやかにことばの音とメロディに心をのせていくことです。その感覚の中で音の動きをつくり出し重ねていきましょう。このときは、一度、グルーヴをはずして、自由に大きめにフレージングをつけておくとよいでしょう。(表現、ことば、フレージング中心の流れ、グルーブとフレージング)、この二つの動きが一つの呼吸に伴うまで歌い込みましょう。