発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3811.地声を高い音まで伸ばしたいがどうすればよいか。(6)

A.地声といっても、どの音域の声も基本的には頭声と胸声が常に共存しています。ですから、音域によって2つの声の混ざり具合、いわば2つの声のパランスで声の音色が決まってきます。2つの声を足して100パーセントとしましょう。頭声のパーセンテージが高ければ、おのずと頭声発声に聞こえ、胸声のパーセンテージが高ければいわゆる『地声』に聞こえてきます。地声を使って歌うには、男女差や、その人が持っている声帯の形〔長さ、厚さ〕でも大きく異なってきます。ですので、誰もが同じ発声のメソードを使ったからといって、誰もが喉を壊さずに歌えるとは限りません。 

 アドバイスをいえるとすれば、女声の場合は、頭声を織り交ぜながらも、限りなく声の当て場所を前に持ってくるイメージで歌うと、頭声発声を混ぜていても胸声発声に聞こえやすい音色が出せると思います。後ろ側に声をまわすような感覚で歌うと、頭声発声に聞こえてしまいやすいです。男声の場合は、女声よりも胸声のパーセンテージがもともと高いと思われるので、ある程度顎の周りや舌根の辺りの力を抜いて歌うフォームを意識すると高音が少しずつ伸びていくのではないでしょうか。

ですが、皆さん一人ひとり楽器が違うということを必ず念頭において、ご自分の楽器を壊さぬよう大切に扱いながら練習して下さい。

切なる願いです!(♯Δ)