A.比較しているつもりです。韓国、中国、ニュージーランド、フィリピンあたりもクラシック、ポピュラー問わず、すぐれたレベルの歌い手が出ています。ですから、欧米VS日本でなく、日本以外VS日本と考えています。しぜんな声の使い手があまりに日本に少ないからです。
もちろん、イタリア人がイタリア語を使って歌うとしぜんです。少なくとも、日本人がイタリア語を学んで、イタリア人になり切って歌うよりも、しぜんなのは言うまでもありません。しかし、ここで述べる「しぜん」とは、そのような現実の巧拙ではなく、リアリティの成立においてということです。私には、パンクやへヴィメタの声でも、理にかなっていれば、「しぜん」といえるのです。ジャンルを問わず、一流のもつ条件は、しぜん、シンプルに尽きます。(♭)