A.歌のレッスンの中では軟口蓋を上げてくださいということは、最初に言われることかと思います。軟口蓋という言葉を使わなくても、「口をたてに開けてください」「口の中に卵が入っているように」「目も眉も引き上げて」などということばは、軟口蓋を高く上げて欲しくて使う言葉かと思います。
鏡を見てみましょう。口を開けて、喉の奥の柔らかいところ、口蓋垂の周り、風邪をひいた時に赤くなる上あごが、軟口蓋です。最初のうちは鏡を見て、実際にどこを上げるのかを理解しましょう。
鏡がないところで、その位置をつかむには、硬口蓋と軟口蓋の境目を舌で探ってください。その境目を横まで持ってくると、奥歯のどこかにぶつかると思います。その歯の位置より後ろが軟口蓋になるわけです。
たまに頑張って硬口蓋を上げようとする人がいますが、この部分はいくら頑張っても、骨ですので上がりません。上がらないところを上げようとすると力みに繋がりますので、気をつけましょう。このように、自分の体の正しい部位を理解する概念をボディマッピングといいます。
軟口蓋を上に引き上げる筋肉(顔の後ろの方にある)の延長上にくるのが、眉間のあたりです。ですから声を眉間に集めるという表現が役に立つのです。