発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.声によくない飲食物はありますか。

A. 食べものに関しては諸説ありますが、大して気にすることはないでしょう。辛すぎるものや刺激の強いものなどはよくないという人もいます。私自身は、声を出す直前でなければ、あまり関係ないと思っています。声帯に直接、飲食物はふれないのに、おかしなことをいう人が専門家にも多いようです。

食べもので、歌が影響されるような頼りのない声の鍛え方をすべきではないでしょう。むしろ、気になるのは胃の具合と体調です。お腹が鳴ったり、ゲップやしゃっくりは、困りますね。喉が楽器ですから、身体の楽器として考えるなら、筋肉によくないことはあります。急に冷たいものを食べたり、飲んだりすると、冷えます。たとえば、喉がほてってきたからといって、氷をかじったり、コーラをがぶのみするのは、タブーですね。炭酸飲料もよくないでしょう。

食べものは、スポーツ選手と同じで、栄養価の高いものがよいでしょう。スポーツ選手用のメニュなどを参考にしましょう。ハチミツ、レモンとお湯割り、花梨、リンゴ、あたためたミルク、肉、こんにゃくなどが声によいといわれています。なす、みかん、メロン、キウィフルーツ、桃、さくらんぼ(果物はアレルギーによる)など、辛すぎるもの、冷たいものは、よくないといいます。

こういったことは健康法と同じく、相性なので自分で考えましょう。

また、飲料なども、本番にはいろんな条件があるので、いつも外から摂るのに頼りすぎず、自分の唾液に任せたいものです。ただし、水分補給は忘れずに。

タバコを吸うと、タールやニコチンが煙となって身体の中に入ります。声帯は肺と口の間、煙の通り道に突き出ているために打撃を被ります。長い期間、タバコを吸いつづけると、貝がらのようだった声帯がコンニャクのようにブヨブヨになってしまい、声がかすれたり、出なくなっていく人もいます。痛めた声帯はとり返しがつきません。

お酒に関しては、個人差がありますが、飲んだときは、しゃべらず、歌わないようにしてください。無理なら、どちらかセーブしましょう。お酒は血行をよくする半面、神経を鈍くします。声帯でも血のめぐりがよくなり、調子がよくなりますが、充血して疲れも早く出てきます。神経が鈍くなると、耳が聞こえにくくなり、発声の感覚もつかみにくくなります。自分の声が聞こえないために、声をはりあげがちになり、無理に使いすぎてしまうのです。まして、飲食物がお腹にたまると、わかりますね。

何事も不安になったり、トレーニングの成果に関わるように思うのなら、やめた方がよいでしょう。(♭π)

 

A. 昔から、メロンは喉によくないと、言われています。私は、歌を習う前は大好きな果物でしたが、先生に喉によくないと言われてからは、なるほど少し喉がイガイガするようだと気がつきました。

私にはその程度の影響なので、食い意地をはって食べ過ぎなければ、それほど実害はないようです。特に、歌う直前でなければ、まったく問題がないように思います。これは、アレルギーのようなものなので、人それぞれ気をつけるべきかと思います。

また、刺激物はよくないと、言う人もいます。辛い食べ物などです。これも、辛さに対する感度は個人差もあるので微妙ですが、私が学生の頃は、同級生たちの間で、「喉をいためたら、なるべく辛いカレーやキムチ鍋などを食べて、喉の血行をよくして治すのがよい。」と、先生たちへの反骨精神のような行動が流行ったものです。限度は考えなくてはいけませんが、一概に否定できない方法だと思います。

また、珈琲はよくないというひともいます。さらに、烏龍茶は喉の油分を流してしまうので、よくないと言いますが、これも都市伝説でしょう。

特に、歌う本番の前に、「これを飲んだから、あれを食べたから、声が出にくくなった。」と、実は喉のコンデショニングの失敗を、飲食物に押しつけている場合も少なくないのです。

実際に体質的に合わない場合は、控えたほうがよいと思いますが、何でもかんでも、鵜吞みにせず、自分の頭と身体で、よく確認することが大切でしょう。(♭Ξ)

 

A. 一般的にはアルコール系は血管を広げ充血することが多いので「声によくない飲み物」に含まれると思います。昔から烏龍茶は喉の油をとるからよくないというふうに言われてきましたし、人によっては声をだすのにカフェインがよくないからとコーヒーNGという人もいました。しかし私はどちらも特に影響がないので人によるのかなという印象です。

お酒もその人によります。毎晩晩酌して毎日歌っている人もいますし、飲みすぎはよくないですが、毎日の習慣を変えないこともリラックスして仕事をこなしていくには重要なので過度にNGワードが増えない方がいいかなとも思います。

ただ、近年アレルギーや体質などが以前よりもクローズアップされることが多くなってきた印象です。まわりの人がやっているから自分も大丈夫ではなく、自分には何があっていて、何が声に悪影響かは人それぞれですので経験を重ねたり、アレルギー検査などで自分の身体を知っておくことも重要だと思います。

基本的には自分のルーティーンであったり、自分の日常が安定して過ごせることがより安定したパフォーマンスにつながりますので過度にストイックになりすぎないことも大切です。

たとえば私個人は稽古や本番ではコーラをよく飲みますが、それを見ている人たちからは、大丈夫か。と問われることもあります。私にとっては声が出しやすいというよりも喉がリフレッシュする感じがあるので、欠かせませんが、それも人によりけりです。自分の身体ですから自分が探っていくのがよりベターかなという印象です。(♭Σ)

 

A. お酒は声に大きく影響がでるので飲むときにはケアが必要です。赤ワインや日本酒など、人によってこれを飲むと翌日の声に響くということはあります。身体が影響を受けるのでその結果として声にもよくない、声のパフォーマンスが下がるということです。

大抵の場合、お酒を飲む際は談笑します。おしゃべりや笑い声は、お酒が入ることで通常よりも大きくなり、賑やかなお店であったりするとさらに声のヴォリュームが上がります。二次的な影響ではありますが、それも含めて気をつける必要があります。

食べ物では、過度な刺激物は、歌う前や本番が近いときには避けた方がいいです。辛過ぎる、酸っぱ過ぎるなどの食べ物は、喉まわりへの刺激が違和感となったり、激しくむせたり咳き込んだりすることでコンディションを崩すきっかけになりかねません。

刺激物ではなくても、たとえば個人的にはチョコレートや濃厚なクリーム系は、ものによっては喉にはりつくような感覚があって気になるので、特に体調が不安定なときは影響を受けやすいため気をつけています。あくまでも個人的見解です。(♯α)

 

A. 人それぞれいろいろな体質というのもありますので一概には言えないと思いますが、代表的なものを挙げると、一般的には刺激の強い飲食物というのは負担が大きくなります。激辛の食べ物を食べることやアルコール度数の高いお酒を飲むということは、たまに、少量ならよいのかもしれませんが、量や頻度が高くなると身体には負担がかかると思いますので避けることが望ましいと思います。特に、喉を酷使したり風邪などで炎症状態になっているときには尚のこと気をつけたほうがよいと思います。

基本的には、どんな食べ物や飲み物であっても身体に優しいレベルのもの、極端ではないものが望ましいのではないでしょうか。それ以外は極端に気にする必要はないと思います。むしろ、自分自身が健康状態良好でいられることに意識を向けてみるとよいと思います。いい声を出すためには、心身ともに健康であることが最も有効だと思います。

なお、アレルギー体質の人は食べ物で症状が出ることがありますし、本人はアレルギーと気づいていなくても、特定の食べ物に反応が出る場合があります。その場合は病院でアレルギー検査を行い、自分の身体の特性を理解することも大切なことだと思います。(♭Я)

 

A. 声帯も胃や食道と同様に、粘膜でおおわれていますので、いわゆる刺激物はよくないと思います。辛い物、強いアルコールやカフェイン、塩分の高すぎるもの、胃を荒らすものがよくないのではないでしょうか。

私は風邪をひいたときや体調を崩したときには、あんなに好きだったコーヒーや、ポテトチップスなどのジャンクフード、ラーメンのような脂っこいもの、クリームたっぷりのケーキなど受けつけなくなります。身体が求めないのでしょう。きっと胃にやさしくない食べ物と身体がわかっているのでしょうね。

歌う直前には、乳製品、フルーツ、チョコレートを控えるという人もいます。喉に痰が絡みやすくなるためです。フルーツは酵素を含み、柑橘系はあまり酸っぱいと喉に刺激を与えてしまいます。咳が出るときは柑橘系のフルーツを控える人もいます。チョコレートも、喉に引っ掛かりを感じるので、歌う前には好まない人がいますね。もちろん歌う数時間前や、前日は問題ないと思います。

前日にはお魚を食べ、お肉を食さないという日本人オペラ歌手もいます。西洋人からしたら考えられないことのように思われますが、この人にとってのベストなのでしょう。お肉をとると身体が重くなるということだそうです。

(♯β)

 

A. 声によくない飲食物と言えば、たばこ、アルコール、辛いもの(刺激物)、コーヒーなどでしょうか。正直なところ、人それぞれ、な気がします。

私の個人的な話です。本来はお酒が大好きだったのですが歌い手である限り「明日は本番だから飲むのはやめようか」とかさまざま考えなければなりませんよね。考えるのが面倒くさくなったので、30代にアルコール類は一切やめました。しかし(代わりに)辛いもの、コーヒーは好きですし、かなり摂取します。 これは本番前でもあまり気にしません。コーヒーで喉がかさつくという人もいますが、私は全然平気。逆にアルコールは私の喉には合わないようで、次の日でもかなり喉がカサカサ感じたのでした。

逆に、コーヒーが苦手で、お酒は気にせずにガンガン飲む歌手はいっぱいいるし、 タバコを吸う歌手も実はかなりいます。ですが、タバコを吸う人の声は、やはり何となくわかってしまいます。好き嫌いだとは思いますが。

しかし、飲食物は、喉の話なのです。我々のしているトレーニングは、お腹、息のこと。そんなに関係ない、とも言えるかもしれません。(♭∴)

 

A. 喉の奥は空気の通り道である気管と飲食物の通り道である食道気管に分岐していています。声帯は食道の中にあるのでなく、気管に位置していますので、刺激のある飲食物が直接声帯に触れて悪さをするということはありません。

しかし分岐の手前にある扁桃咽頭は飲食物が触れるため、影響を受けます。辛い物やアルコールなどの刺激物で腫れることもあります。

楽器そのものが腫れなくても、扁桃咽頭が炎症を起こすと共鳴腔が狭くなるため、結果的に声に影響が現れるのです。

また、塩分の摂りすぎや過度の水分補給は声帯表面の粘膜の浸透圧に影響を及ぼしますので注意が必要です。

ウィーン少年合唱団ではアイスクリームを食べることが禁止されているそうです。喉を冷やすのがよくないからだそうです。私はアイスクリームが大好物なので禁止は困りますが、やはり冷えると動きが鈍くなるので歌う直前には食べないようにはしています。(♯∂)