発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4617. 発声のコツ、秘訣と思われるものと、それを習得されたときの感覚を教えてください。(9)~(12)

A. 歌うこともスポーツと同じで筋肉を使います。歌う前によくストレッチをして体をあたため、ほぐすことからはじめます。
深く長い呼吸が出来るように呼吸のトレーニングも十分つむことです。良い声が出ることよりも、正しい呼吸が出来ることのほうが重要です。言い方を変えれば、正しい呼吸さえ出来ていれば、声はどんどん伸びていくということです。
正しい発声で歌えたときは、喉はもちろん、からだがとても楽に感じます。いつまででもロングトーンできる感覚、自分から声が離れて広がっていく感じがします。そのとき自分自身に聞こえる声は、クリアではなく、少し篭ったような感じ、これで聞こえてるのかな?と思うような声に聞こえるはずです。(♯Å)

A.特に大切なのは腹式呼吸です。横隔膜をしっかり下げ、深い呼吸をするようにしましょう。深い呼吸をするためには良い姿勢と腹筋・背筋が必要になってきます。
腹式呼吸がきちんとできるようになれば、吐く息を声にしていくとこれだけでも、かなり良い声が出てくると思います。声を出す時に気をつけなければならないは顔や首、肩に力が入らないようにすることです。喉をあくびの時のようにしっかり開き、深く吸った息を腹筋でコントロールしながら出すようにします。これらが出来た時、私は自分自身が楽器(例えばオカリナ)になったように感じました。
(♯μ)

A.コツはいかに「普通」に声を出すかということ、習得できてきた時の感覚は同時ににいく通りもの作業を別々に重ねていってやっている感覚です。おそらく多くの人が声を出す、歌うという動作がとても特別なことになっているんじゃないかという気がしますが、大きな敵は「羞恥心」です。
いい声・いい発声、それは誰もが望むものかもしれませんが、しょせん人間も動物、声帯で生まれた音はけっこうざらついていたりしていて案外汚いものです。でもその汚いものそのままじゃ恥ずかしいから綺麗にしようとすると無理がかかります、あるものはそのまま使う、「ありのまま」。至って普通なことです。
そしてそれはいかに体の全てを巻き込んでいけるかにもかかってきます、どこか不公平があればありのままにはなりません、使う意識をしない意識も必要になってきます。自分の全てを認め、受け入れ、人から何を言われても恥ずかしくもない、そんな境地すら感じます。(♭Ч)

A.自分の中で重視していることは、ブレスを深く吸うこと、口をあくびのように縦に開いて使うこと、中音域と高音域を滑らかにつなぎ、高音域で浅く薄い声にならないことです。
ブレスを深く吸うということは、発声における基本となることであり、浅い状態では声を出す間にすぐ苦しくなってしまうと思います。深く吸う感覚を身につけるためには、息を吐ききり、びっくりしたような口をしながら、口から少しずつ(本当に微量です)身体を開くようにしながら吸っていくと、普段吸っている時よりも、深いところに入っていく感覚がつかめると思います。いきなり下っ腹に入れるのではなく、肺の下の方が広がっていくような感覚です。
この練習を繰り返し行い、深く入っていく感覚を身につけ、実際に歌っている最中でもたっぷりブレスが取れるようになると思います。
口をあくびのように開くのは、口腔を広く使う感覚をつかむのに役立ちます。口が横に開いてしまうと、平べったく薄い声になり、響きにくく喉に負担のかかりやすい声になってしまいますが、口腔を縦に広く使うことで、身体とつながった芯のある声になり、また響きやすい声になります。声を出していく中であくびをしながら声を前に出す(響く位置ではない)ような感覚がつかめたら成功だと思います。
高音域を出すコツは、中音域から滑らかに繋ぐこと。跳躍などで音が浮かないことがとても重要です。一度浅いところに入ってしまうと、バランスを崩しやすく、浅い声や喉声になってしまい、伸びやかな高音は出しにくくなってしまいます。
先に述べた、ブレスを深く吸う事や、あくびのように口を縦に使い、お腹を少し引っ込めながら上に持ち上げていくように発声すると、中音域と高音域がつながって、芯のある輝かしい高音が出るようになると思います。その際、とても高い音域は、自分にはあまり聴こえなくなると思いますが、自分から声が離れておりうまくつながっている証拠です。(♭Я)