A. 母音によって発声が違ってしまうのは、その母音の発声を喉でしているからです。声帯の位置は変えずに、喉の奥を高く保ったままで、アの場所でイ、イの場所でウ、ウの場所で・・・とすべて同じ場所で言えるようにします。響きは副鼻腔ですので、口の中が狭くなるイやウの時に、喉で押さないように気をつけましょう。
(♯Å)
A. 普通に会話する時の母音の発音の仕方は、あ:口の中の高さ・横ともに広い、い:口の中及び上下の歯の高さは狭く、口が横に開いている、う:口の中及び上下の歯の高さは狭く、唇もすぼまっている、え:口が横に開いているが「い」の時よりもやや高さがある状態、お:口の高さ、開きは「あ」「う」の間ぐらい、となり、母音により響き方が違います。歌唱はメロディーを美しくするために響きを整える必要があります。「イ」「ウ」「エ」の時に口の中が狭くならないよう上下の歯の間や口の中を広めに開けるようにすると響きの差があまりなくなります。(♯μ)
A. 母音を「言葉」という意識でなく「声」、または「声が響いたもの」という意識にかえてみてください。母音は声の音色や広がりにとても大切なもので、それらによって声の質も左右されてきます。イタリアのベル・カント「美しい歌い方」という唱法でも「いかに綺麗に母音をならべ、つなげていくか」ということが重要とされていると認識していますが、母音を単なる言葉の一つと思ってしまうととんでもないことになってしまいます。全ての言葉の発音の根幹であると知って下さい。大きな違いはその大きさ(単なる口の中の大きさの問題ではありません)です。
試しに鼻歌で何かメロディーを歌ってみてください、おそらく両耳から頭にかけて広く響くのを感じると思います、その広がり全てが母音ととらえてみるといいと思います。そして全ての母音がうまく重なり合っていること。日本語でいうなら「ア」を言いながら頭で「イ」や「ウ」を同時に言っているような感覚、私の感覚ではとっても「贅沢」な言葉といっていいほどで、違っていた発声も整ってくるでしょう。(♭Ч)
A. 母音によって発声が変わってしまうということは、一体何が起きているのでしょう?鏡を見ながら、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」をゆっくり言ってみてください。それぞれの口の形はどうなっていますか?それぞれの母音によって極端に口の形が変わるような場合、発声しにくい問題が多々あると思います。そして、早口言葉も苦手ではないですか?
日本語の「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」は基本的に浅くなりやすく、「ア」横に楕円形、「イ」は横に一直線、「ウ」は口がすぼまって若干あごが上がり気味、「エ」は「ア」を少し縦方向に狭く横に広く、「オ」は「ア」に近い口の開き方になってしまうことが多いです。
「イ」が横に開いてしまうと、喉が上がりやすくなり、苦しくなると思います。また、この状態では声の通り道が狭い状態になるので、結果としてフラット気味で響きにくい声になってしまうのだと思います。
改善策としては、口の両脇に指をあてて、「オ」」の発音をしてみましょう。その時の口の端の位置をそれ以上横に開かないようにして、「イ」の発音をしてみてください。いつもより深く発声できるようになり、響きやすい声になると思います。
「ウ」に関しては、できる限り「オ」に近く発音してみましょう。例えば、「おはよう」ということばの「う」は理想的です。
一番理想的な発声は、「母音が変わっても、口の形がほとんど変化しない」ということです。口の形が変わるということは、響きの空間が変わってしまうということなので、必然的に発声しにくい母音というものが出てくると思います。
できるだけ口を縦に開いた状態で、「アエイオウ」と滑らかに一息で言う練習をしてみると、改善されるかもしれません。(♭Я)