A.私は、トレーナーや生徒のレポートを無記名にして、経歴を消してオープンにしています。それは、より普遍的に使えるようにするためです。「誰のいつ」がないと正確でないし、具体的でないから使えないと思われるかもしれません。しかし、どれ一つとして仮想してつくりあげたのでなく、現実の事実です。そこから属性の明記を避けるのは、感想というフィルターを通しているとはいえ、一人の実在した人の、あるときのあるがままの記録です。
とはいえ、そのままでは、そこに囚われることで、第三者が自分に使うのを邪魔しかねません。
例えば、25歳、男性、サービス業であると、それと同じ属性の人には参考になりますが、40歳、女性、主婦の人は見てもしかたないと思うでしょう。誰でも、もっとも新しく自分に近い人のものを信じるからです。しかし、その具体的な属性を超えて、ずっと使えるものが、基本であり普遍です。長年の大量のデータからこそ、読み取れるものが大きいと思うのです。(世間では、ビックデータといわれていますが、その多くは時間が足りていません)
ちなみに「科学的である」というのは自分の体験でなく、そこでの現象だけを取り出し記述することです。誰かの状態でなく、誰を外して、その状態だけを客観的に取り出したことの上に成立することです。科学的なトレーニングを求める人が多くなってきたので、なおさら活かせるはずです。(♯)