ある言語学者は、「イタリア語、フランス語は母音でレガートを作るといいが、ドイツ語は子音のレガートを意識すると発音しやすい」と説明しています。つまりイタリア語やフランス語などのラテン系の言葉は母音を優勢に感じて母音をつなげるように練習していくといいと思います。
これは日本語にも当てはめられることかと思います。歌でプロとしてやっていこうとする初心者は大抵イタリア歌曲でレッスンを始めるのですが、それは母音を流してレガートに歌うことができる原語だからなのでしょう。そのような母音のレガートを覚えたら、日本語で歌うことにも大いに応用できると思います。しかも、日本語にないような母音の揺らぎ、伸び縮みがあるため、言葉の抑揚と音楽の動きがとてもマッチして感じられると思います。
ドイツ語は子音のレガートでというのは、子音がとても多い言語なので、子音をしっかり発音しつつ次の音につなげていくような感覚が役に立つのだと思います。特にNという子音が語尾によく出てきますが、舌を口蓋につけて息を止めるのではなく、息を流しながら発音することで、レガートが作れます。(♯β)