発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.頭の後ろを開けるといわれますが、どのような効果を狙っているのでしょうか。

A. レッスンの中ではしばしば、何かを導き出すために、体のある一部分に着目させて指導することがあります。「頭の後ろを開ける」というワードもよく用いることがあります。まず頭の後ろを開けるというイメージワードから、口の中、軟口蓋のあたりに空間を広く保つことが導けます。音響を変えるのには、空間が広いことが必須条件となります。日本人の日常会話では、口の中をあまり広くせずとも話せてしまうので、軟口蓋が上がってない人、口の中にスペースが狭い人が多くいます。

さらに、高い音をだす時にも頭の後ろの空間を広く保ち続けるイメージが役に立つのです。声帯は高い音の時には後ろに延ばされ引っ張られた状態になります。その張力を維持するには、声帯の後ろ側がちょうどうなじのあたりですので、後頭部に意識を向けて上後ろに引っ張るイメージが役に立つのです。うなじより少しにある後頭部を意識させることで甲状軟骨がかたむき、声帯がより引っ張りやすくなります。この傾斜も必要な条件となります。