発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.世界的にみて、日本人の歌唱に欠けているものは。☆

A.メリハリ、リズム・グルーブを表せる声、太く引っ張られるようなことばをつかみ、リズムに従えられるようなインパクト、パワー、ドライブ感、加速度、つまり時間軸に乗せた横読みでなく、それを空間の広がりにして、時空を変えてしまうほどのパワフルさ…

Q.ヴォイトレの共通メニュとは。

A.初期の条件の獲得のための声づくり、発声とその歌唱のための共鳴とは、次元の違う問題ということです。登山で勝負しようというときは、もし私が平地しか歩いておらず、それゆえ10階まで階段を歩いたら足がつったり、翌日痛くなったからといって、それは…

Q.お坊さんの声について、どう思いますか。☆

A.私は日本で唯一、声づくりがしぜんにうまくいっているともいえるお坊さんを見る度に、高い声や発音や音階、リズム、歌詞、共鳴などに関わる前に、自分のもっとも出せる音の高さ、発音、共鳴で自分の呼吸に合わせて声を出して、しぜんに使えるだけの声に…

Q.J-POPを声のサンプリングにしないのですか。

A.私は練習曲に、外国曲や演歌、歌謡曲まで使わせていますが、今のJ-POPの曲を声のベースづくりとしては使っていません。 歌が詞と曲と声の総合的な組み合わせの妙で成立しているJ-POPの曲は、手本や見本にしにくいということです。曲、詞、歌唱…

Q.日本人はリズム感が悪いのですか。

A.私たち日本人は、音として発した数でしか、数えていないだけで、休みで間をとってリズムは刻んでいます。。 だから、日本人は、リズムに弱いのではなく、奇数拍(三拍子系)と強弱リズムに不慣れなのです。(♭ф)

Q.日本語と外国語の文字と発音の違いとは。

A.日本語では、「アイ」を「ア」と「イ」で同じように発音するのに対し、英語は、「ア」に「イ」をつけるくらいに発声します。(二重母音)アルファベットは子音と母音のレベルで1単位とした音素文字です。 これをカタカナで表現すると、日本語は「アーイ…

Q.日本語はビートにのりにくいのですか。

A.英語の単語は、基本的に二拍子に分解できるので、8ビートにのりやすいものですが、日本人のリズム感は、後打ちが難しく、一拍子のようになります。西欧なら、二拍子で強弱となるのに、日本語だと同じ強さになるわけです。そのためビート感を出すのは難…

Q.外国人のシャウトの声をまねると壊しませんか。

A.続けてハードにそのまま真似すると、のどを壊す人も少なくないでしょう。しかし、現実に彼らは壊していないのだから、それが間違っているとはいえません。私たちがF1レースに出て勝とうとしたら、死ぬでしょう。プロレスでも同じかもしれません。しか…

Q.トレーニングでのどが痛いです。☆

A.「痛いなら、そのやり方(メニュ、時間など)はやめましょう」、これはヴォイトレでの基本的なアドバイスです。こういうセンサーが壊れていたり、鈍かったり、情熱のあまり鈍感になったりすると、過度に偏向して壊しかねないからです。(♭)

Q.先生は声を、どう鍛えたのですか。☆

A.私は鈍感だったのか、敏感だったのか、すごく過度にやりましたが、壊しませんでした。無理に高いところをやらなかったからか、10年もかけたからかよくわかりませんが、8時間に耐えられる声をつくるのに、毎日3~5時間ハードにやりました。 こんなこと…

Q.声を壊すのが、とても怖いです。☆

A.私のところにも、かつて舞台で無理に声を使い、手術した人が何人かいます。トレーナーにもいます。もちろん、生徒ののどの状態には、誰よりも注意をしていますが、これらもその人たちがその結果、歌や芝居から引退したというのなら不幸なことですが、そ…

Q.声の鍛錬について、リスクをとるべきなのですか。☆

A.医者のような専門家は、一般の人にはとことんリスクを回避させます。しかし芸人や歌手はそれを超える仕事がきます。常に高いレベルへ挑戦するのはリスクを負うことです。あるトレーナーは、手術後、半年安静のドクターストップを2週間で切り上げ、舞台…

Q.声を壊すと強くなるのですか。☆

A.俳優の仲代達也さんは、本人いわく、何度も声を壊しては直し、鍛えて一流の声になりました。彼にとっても、そのやり方がベストだったのかどうかは誰にもわかりません。多くの人はそのやり方では、彼ほどにはうまくいかないでしょう。しかし、彼と同じよ…

Q.一流の声は一流の体から出るのでしょうか。☆

A.声帯の質や能力は関係します。のどからその人の可能性や素質のよしあしは、ある程度わかるのですが、一流の人が必ずしも声帯で恵まれていたわけではない例もあります。つまり、体重があればラグビーに向いているというレベルで選んでも、それは素人集団…

Q.売れる歌手は、声の分析でわかるのですか。☆

A.声紋分析で、その人が加工して出した音の波が、楽器ならある程度、分析して、一流のプレイヤーと同じものが出ていたら優れているという指標になりますが、声は個人差が大きすぎてそうはなりません。 一流のすぐれた要素を多く持つ人がそうでない人よりは…

Q.外国人、一流のトレーナーの判断基準と日本人は異なるのですか。

A.アメリカに行って、私どもの方法とまったく違うやり方で、声を開花させられたという生徒がいました。こんなことは、いろんな国に行っている私にはわかりきっていることですが、結論からいうと、それぞれ国のトレーナーがその国ですぐれていても、日本人…

Q.体の支えは、皆さんはどこでしょうか?

A.声の支えは、日常的に気にかけていますが、体の支えを気にしている声楽家は、それほど多くないと思います。それに対して、バレエダンサーや他のダンサー、柔道・剣道・弓道・空手などの武道家、あるいはお相撲さんも、体の支えは、日常的に気にかけているの…

Q.体がやわらかいことは、発声にプラスになるということですか。

A.体の一部分をストレッチすると、ストレッチをしていない他の部分も、ほんの少しやわらかくなります。ですから、歌う前に、全身のストレッチをやり過ぎると、かえって声が出しにくくなったりもします。スポーツをする直前に、ストレッチで体をやわらかくし…

Q.ポップスの声の流行りについて知りたいです。

A.いい声・きれいな声・魅力的な声、力強い声、優しい声、いろいろな声がありますが、流行りの声、というのもあります。最近のポップスの男性歌手は、ずっと高音が流行ってきた影響を受けて、細く高い声がとても多い気がします。さらに、初音ミクなどの機械…

Q.アナウンサー、声優の初期の声は、役者や経営者などとは異なるのですか。☆

A.もちろん形から入って実を伴うことができるならよいのです。しかし、形から入って形に終わることの多い日本では、そのままで人並み以上にもならない人が多いのです。 一方で、声が深くなれば、口形は少しの動きでも発音は明瞭になります。共鳴効率がよい…

Q.高音は高音トレーニングでしか身につきませんか。☆

A.歌唱でも、高音のトレーニングになると表情筋まで関わるので、ひびきも前に出て、発音も明瞭になります。低音トレーニングは、深い声、芯のある声になりますから、声そのものを支えますが、そのまま発音にはあまり絡みません。しかし、これがあってこそ…

Q.科学的、効率的に一流の人は育てられないのですか。☆

A.一流になるためには、いくら理論や分析をして、方法を取り入れてみても不可能です。今日、音声科学は、30年前とケタ違いに進歩し、いろいろなことが分かってきました。また生理的にもかなり多くの発声に関する理論や方法の間違い(というか、仮説)も修…

Q.一流へのプロセスとは。

A.早く楽に簡単に人並みにできる、あるいは人よりも少し上達できるというのと、遅く楽でなくとも苦労しつつも、明らかに常人とは違うレベルにできるというのは、結果からみてのことですが、方向性も順番ややり方も全く違うことが少なくないのです。 目標が…

Q.トレーナーがつくときの最大の問題とは。

A.どうしても積み上げ式で10、20、30…50、80パーセントとしてしまいがちなことです。しかし、計算で進めていくのではブレイクスルーできないのです。(♭)

Q.発音をもう一度固めたい。

A.私のところでは、過度に発音、滑舌を重視していません。発声から考えると発音は後の位置づけです。それでも、実践的に考えるのなら、口をはっきり開けた方がビジュアルの助けも加わり、新人としては早く通用します。大学生でTVに出る女子アナなどが、…