A.原始の生活で木の実や生肉などを食べていたときには、ものを噛むのに力がいるので、顎は頑丈、首も太く、咀嚼筋や側頭筋も発達していました。その食生活は、火や道具を使うことによって一変したわけです。調理により、顎で食らいついたり、噛み切る負担が減ったわけです。
それと同じようなことが戦後の日本にも起こりました。固いものから軟らかいもの中心の食生活になり、噛む力が弱くなりました。顎は細くなり、歯が入らないために、矯正する人も多くなりました。原人や縄文人ぽい顔も少なくなり、小さな顔、しょうゆ顔で細い顎、細い首になってきたのです。
特に、日本の役者顔の、この50年の変遷は激しいというのは述べてきました。えらの張った大きな顔こそが役者(歌舞伎なども含めて)の持ち味でした。声も通るし、遠くからみえるからです。(♯)