A. ささやき声とは、声帯をしっかりと絞めずに、息もれさせるように出す音です。声帯筋を振るわさずに、隙間を開けて息を漏らすように発声をしています。この出し方だと、音程ピッチを作ることはできません。
実際どのようにして出ているのかというと、声帯の前3/5は声帯筋そのものが振動しますが、後ろの2/5には披裂軟骨という骨がついています。この骨で声帯を閉じることで声帯筋ができない振る舞い、例えば、長くしたり薄くするなどを補っています。
ささやき声でこの骨部分が使われるとき、声帯はしっかり閉まらずに隙間が空きます。ささやき声をだすと、そこに息がどんどん通ることになるので、声帯はものすごく乾燥します。声がつかれているときに、ささやき声を使うことで、ますます声帯の疲労を増してしまうことになります。
よくお医者さんは、声の疲労回復のために何日間か声を出さないで、とか筆談してというアドバイスをくださるときがありますが、ささやき声で話すぐらいなら、一切声を使わない方がましということなのでしょう。