発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.ささやき声は喉によくないのですか。

A. ささやき声とは、声帯をしっかりと絞めずに、息もれさせるように出す音です。声帯筋を振るわさずに、隙間を開けて息を漏らすように発声をしています。この出し方だと、音程ピッチを作ることはできません。

実際どのようにして出ているのかというと、声帯の前3/5は声帯筋そのものが振動しますが、後ろの2/5には披裂軟骨という骨がついています。この骨で声帯を閉じることで声帯筋ができない振る舞い、例えば、長くしたり薄くするなどを補っています。

ささやき声でこの骨部分が使われるとき、声帯はしっかり閉まらずに隙間が空きます。ささやき声をだすと、そこに息がどんどん通ることになるので、声帯はものすごく乾燥します。声がつかれているときに、ささやき声を使うことで、ますます声帯の疲労を増してしまうことになります。

よくお医者さんは、声の疲労回復のために何日間か声を出さないで、とか筆談してというアドバイスをくださるときがありますが、ささやき声で話すぐらいなら、一切声を使わない方がましということなのでしょう。