発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2012-01-01から1年間の記事一覧

Q4032.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(9)

A.素質は持って生まれたもので、ある程度までは、練習も努力もしなくても一流になる才能をかねそなえているもので、その天才が努力をしたら右に出るものはいない。もうひとつの方は努力に努力を重ねてその道を極めようとするが、才能を持った天才にはかな…

Q4031.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(8)

A.様々な見方があるうちのひとつの捉え方ですが、骨格と声帯、それに伴う声質(声の性質という意味で)は素質と言えます。声帯の長さ、太さなど、その形はもともと持って生まれたものであり変えようがないからです。また、一人として同じ形の声帯は存在し…

Q4030.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(7)

A.素質と育ちは密接に関係していると思いますので、相違点を述べるのはとても難しいです。単純に考えると、人種や性差、もしくは遺伝などによって生じる個々の差などは「素質」、環境などによって変化していくものが「育ち」ではないでしょうか。肉体的な…

Q4029.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(6)

A.私が考える素質とは、まずはその人の身体(容姿も含む)、感覚です。スポーツ選手や、歌手や演奏家など肉体(身体)を使って表現したり、競いあったりする人の中では、持って生まれた肉体そのものが素質に値すると思います。身体の大きさや、筋肉の質、運動…

Q4028.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(5)

A.私の知人に、何人か、両親が音楽家で、本人も音楽をやっている人がいるが、そういった人たちが必ずしも、素晴らしい演奏をするか、と言ったらそうでもなく、特に、音楽の英才教育を小さい頃から受けたわけでもなく、純粋に好きで演奏している人の方が、…

Q4027.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(4)

A.持って生まれたものと言えば私は音域ではないかと思います。人によってはあまりトレーニングを積まなくても高音が最初から出る人がいます。しかしそれは持って生まれたものでありテクニックではありません。もって生まれた高音はよくない発声でも出てし…

Q4026.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(3)

A.素質は、身長などのようにあらかじめ決められてしまっていて変更がきかず、また、ダイヤの原石のようなもので磨けば光るので、磨く必要はありますが磨くだけで済むともいえます。 育ちは、変更しようと意を決すれば、いくらでも変えることが不可能ではな…

Q4025.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(2)

A.素質とは、様々な見方があります。楽器として頑丈な、大きなものをもっている人は、発声が理にかなったときに豊かな響きを得ることができるでしょう。しかし、楽器を扱うテクニックが備わっていないと発声の欠陥がわかりやすい形で出てきます。楽器が小…

Q4024.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(1)

A.持って生まれた才能というものは、その人独自のものであり、その人特有のものです。またこの才能は本人の自覚がない場合もあります。親の遺伝子を受け継いでいるため、自覚症状はないのですが、その自覚症状がないということが最大の能力なのかもしれま…

Q4023.もっと伸びるためにできることを何でもいいので教えていただけると嬉しいです。

A. 毎回のレッスンを録音し、それをノートし、聴きながら毎日コツコツ練習することです。 反復練習がいつの日か実を結ぶのです。 自分の練習を録音するのも良いでしょう。 改めて自分の声を聞き返すことも勉強になります。 自己満足にならず、常に探究心を…

Q4022.ミュージカルの唱法とはどんなものですか?

A.ミュージカルでの歌唱の特徴としては・・・お芝居の中でのワンシーンとして歌うことです。多くはワイヤレスマイクを使用する、指揮者がいることが多い、コーラスが多い、など、実にユニークです。 発声方法としては、声楽的なものとポピュラー的なものと…

Q4021.表現力が乏しいと言われます。どうしたらいいのでしょうか。

A.理由は様々だと思います。 人の意識の受発信には数段階あると言います。 「刺激を受信する」→「刺激を分析する」→「発信するものを選択する」→「発信の実行方法を選択する」→「実行(表現)する」 台詞の朗読、独白、ソロ歌唱などの場合、BGMや伴奏以…

Q4020.イメージ豊かに歌う、喋ることができないのですが、どうしたらいいでしょうか?

A.「イメージ豊かに」とは、「五感の研ぎ澄まされた感性ゆたかな表現」を指すのだと思います。 イメージ、つまり想像力を上手くはたらかせられない理由も人によって様々です。中でも緊張の場合が多いと思います。極度の緊張をしていると、心理が正常にはた…

Q4019.歌詞のイメージを歌うのが難しいのですが、どうしたらいいのでしょうか?

A.歌を歌う際にはメロディや伴奏など音のイメージと歌詞の内容や韻からくるイメージと両方のイメージが大事になります。 歌詞を歌う、とは、これは詩を朗読したり台詞を喋る感覚に近いと思ってください。 もちろん歌詞を歌う際に発声的なテクニックは効果と…

Q4018.声がこもりやすのですが、どうしたらいいですか?

A.原因は様々考えられます。肉体的には、、、呼気が少なかったり、呼気が乱れていて声帯が正常に鳴っていない場合。喉元に過度な緊張があって共鳴していない場合。多い原因として考えられるのは、舌根が力んでいることです。精神的な原因で言うと、気落ちし…

Q4017.大きい声を出そうとすると、声が割れたり、喉が痛くなるのですが、どうしたらいいでしょうか?

A.一般の方は声量を上げようとすると、「声を大きく出す」という感覚で喉に負担のかかる発声になりがちです。 声のトレーニングを経てきた人は、「声を拡張して響かす」感覚で声量を上げていきます。 「大きい声」=「通る声」と考えるといいでしょう。『通…

Q4016.日常生活で腹式呼吸を意識するにはどうしたらいいですか?

A.腹式呼吸を体得する方法は多種多様です。人それぞれなので一概には言えませんが、共通して言えることの一つとして、上半身と喉元が脱力していることです。 身体の脱力を体感すること自体が実はまた簡単ではないのですが、ゆっくりゆっくり身体を揺らしな…

Q4015. 歌うという行為の根本とは?

A.非常に難しい問いですが・・・。私は、歌うという行為の根本は自己表現の一つと捉えています。そして、コミュニケーションの一つとも考えています。声を発すること。これが最も原点ですが、これは生きる為の行為。いわば生理的かつ野生的な人間本来が持っ…

Q4014.発声に悩んだら、どうすればよいですか。

A.私の場合はとにかくレッスンに行くようにしています。一人でなやんでいると私の場合は違う方向にいったりどんどん良くない方向へ向かっていくので一人で悩むよりもより正しい道に導いていただいたほうがよいと感じています。 発声での悩みの大半はバラン…

Q4013.喉を下げて声をだすということについて知りたいです。

A.これは日本人の最も苦手な分野の一つだと思います。日本人の浅い声と外国人の深い声の違いの重要なポイントだとも思います。喉仏は男性のほうが目立っていますが女性にも実際にはあります。これが下にあるほど深い声がだせるという仕組みなのですが、これ…

Q4012.テノールがバリトンの歌を歌ってはいけないのか?

A.良いと思います。むしろ歌ったほうが良いと私は思います。響きのみを考える歌い手さんからいくと邪道の考え方だと思いますが、基本的にどの声部であろうとも一番鍛えなければいけないのは中間音とパッサッジョです。この二つを勉強するためにバリトンの曲…

Q4011. 軽い声、響く声という発声が求められているのでしょうか。

A.私がよく感じる矛盾ですが音大や声楽の専門機関にに携わっていると「軽く歌いなさい」と言われたり「響きをもっと高く」と言われることが多いです。それはそれで理にかなっていますし、間違ってはいないと思うのですが、二期会や新国立劇場で聴く歌手の皆…

Q4010.70歳を過ぎても、良い声になることはできるでしょうか。

A.神経を別な位置から刺激すると信号のいくらかが別のところと連動して動きます。声帯の上面はちょうど鼻の下や鼻の横あたりとつながりがあり、うまくすると非常に安定したアクートを得られます。ツボとか反射区、なんて呼ばれるものに近いかもしれません。…

Q4009.最近喉が詰まるような感じがして昔出たような声が出なく感じます。

A.例えば、鎖骨や胸骨がかなり内側に凹んでおり、肺や気管支を圧迫しているようなことはありませんか?ちなみにそのような状態の時は、普段から頭痛がしたり呼吸がしにくく気分も落ち込むようなな時が多くなっています。 改善策として、胸骨を前に出すよう…

Q4008.歌にとって発声を学ぶとは、そもそも、どういうことでしょうか。

A.良い発声を身に付けるということは、あくまで歌を歌うことへの準備でしかありません。発声を学ぶこととは、歌うために必要な技術を習得をすることである。では、舞台に立つ者にとって歌うこととは何かというと、その言葉・音楽を通して、自分自身の「想い…

Q4007.発声に筋力トレーニングは必要でしょうか。

A.発声力を強化したいのであれば、必要でしょう。特に、サイズの大きい喉を持った人は、喉のサイズに見合う筋力がなければ、声をコントロールするのは困難でしょう。 逆に、筋力トレーニングが発声の邪魔になる、というケースを考えて見ましょう。実は現実…

Q4006.得意な高音が、急に不調になりました。

A.高音で声の出が悪くなったり、声帯が開くようになったりする時には、声帯がねじれるような変形を起こしてしまっている時があります。声帯を写真で見ると声帯の後ろ方が外側にねじれて、声帯が少し開いてしまったり、Y字に後ろが開いてきちんと閉まらなか…

Q4005.高い音でポジションが定まらないのをどのように対処すべきでしょうか。

A.高い音へ行こうとするとき、高いポジションで歌いつづけようとすると、肋骨が広がろうとするのがわかります。その動きを観察するのを忘れないでください。そのときの音に必要なエネルギーを必要なだけ適度に供給する歌い方は、ただ、高いポジションで歌う…

Q4004.言葉の処理の方法について詳しく教えてください。

A.同じ言葉を処理するにしても、喋る時と歌う時では口の動きが変わります。ある意味これが一番難しいと思います。なぜなら、私たちは言葉を喋っている時間が多いですから、いざ歌の時は口の動きを変えろと言われても、すんなりと分けられるものではないから…

Q4003.息漏れ声を解決したいのですが、よい練習法はありますか。

A.程よい声の張りを与えて、レガートもスタッカートも自由自在おもいのままに操ることができる鍵となるものの1つは、声門閉鎖力です。実は声門閉鎖筋は、肺の中の空気が無くなればなくなるほど強く働きます。息を半分以上吐いた状態から声をアタックさせて…