発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Q3727.吸気傾向が強い場合はどのように調整したらよいでしょうか。

A.多く見られるタイプの一つに、高音域で吸気傾向が強すぎて、声が後ろに行き過ぎるタイプがあるようです。私の経験では、上のBやC以上のソプラクートでは吸気傾向にした方がハマりやすいですが、それ以前の音を吸気傾向にしてしまうと声が後ろに行き過ぎ…

Q3726.発声のときの母音とそれを使う理由(10)

A.子音だと、唇や、舌の動きで決まる音が多いので、大きく息を吐く身体を作るためには、難易度が高すぎます。 母音を使い、舌や顎に力が入らない状態で、シンプルに息の流れだけで音を作りだす練習は、アラもわかりやすいと思います。(♯Γ)

Q3725.発声のときの母音とそれを使う理由(9)

A.姿勢よく立ち、しっかり息を吸い、口・喉を開けて声を発するという歌うときの基本の体勢をシンプルに実践するために、母音アを使います。 また、いくつか他の母音を組み合わせて使うのは、 1)ひとつの母音だけで歌い続けると時にはその人独特のフォー…

Q3724.発声のときの母音とそれを使う理由(8)

A.私自身が発声練習でよく使うのはイの母音です。これは一番狭い母音ですが、鼻腔の共鳴を感じやすい母音だと思います。ただ、不自然に引っ張ったり、深く作ってしまうのはよくありません。話すように、たとえば「いいね」というときの「イ」でよいのです…

Q3723.発声のときの母音とそれを使う理由(7)

A.私が一番よく発声させる母音はエです。エとイは口の中のスペースが狭くて大丈夫な母音で、声を集める(声門を閉じる)練習になります。イだとエより音が鋭いので、アとイの中間のエをよく使います。エで慣れてから、アでも発声させます。ただし、スタッ…

Q3722.発声のときの母音とそれを使う理由(6)

A.発声練習を行なうときに多く使われる母音はア母音です。口を開ける際[息を吸ったり吐いたりする呼吸する事]にも最も自然な形だからです。 しかし、歌う となる時には、その自然な動きに逆行する無駄な力が入ってしまう事が多くあり、ア母音で歌う事が困…

Q3721.発声のときの母音とそれを使う理由(5)

A.母音がコロコロ変わると、まだ、最初のころは、響きが変わりやすいです。 ウやオは、口の中が広くなる母音なので、いい響きで歌えます。また、母音が変わると、息の流れの速度も変わってきます。イなどの母音は、息の流れを早くしないと、他の母音と同じ…

Q3720.発声のときの母音とそれを使う理由(4)

A.私の場合は主に「オ」の母音を使って発声練習を行ないます。また生徒のレッスンでも使用しています。理由として、まず口腔の空間を広げたいということがあげられます。我々日本人の母国語である日本語は口腔がせまくペチャペチャした印象をもたれる言葉…

Q3719.発声のときの母音とそれを使う理由(3)

A.「ア」レッスン時間が足りないこともあり、今は「ア」だけ使っています。使用する母音を重視するトレーニング法もありますが、まだ、取り入れていません。(♭Ξ)

Q3718.発声のときの母音とそれを使う理由(2)

A.母音は、口の中の顎、舌の形によって形成します。五個のそれぞれの母音には特徴がありますが、3つのグループに分かれ、ウとオ、イとエ、ア、という風に大きく括る事ができると思います。つまり、オはウの母音ができればあとは微調整するだけで容易に作…

Q3717.発声のときの母音とそれを使う理由(1)

A.子音で声を出すときには、のどをつめたり、口の中も閉じなければなりません。しかし母音ではそういった心配もなく、ストレートに声を出すことができます。母音でまずは、ひびきをよくし、ひびきを統一させていくことが大事になります。アイウエオのひび…

Q3716.呼吸法とその習得について。(7)

A.声を出すときには思っている以上に息を吐いていないことがある。特に元々大きな声が出てしまい、声帯がよく鳴る人ほど、喉の力で出していることがよくある。 声を出すときに豊かな息を吐き、声帯を守ることは、ただ発声で大声を出すこととは違うプロセス…

Q3715.呼吸法とその習得について。(6)

A.息の流れに声がのって歌声となるので、その息をうまく扱うためにも正しい呼吸をすることが求められます。 しっかりと深く息を吸い、その息を無駄に吐いてしまわずに、お腹の支えと共にコンロールする必要があります。無駄に息を吐いてしまう、または息が…

Q3714.呼吸法とその習得について。(5)

A.呼吸には大きく2種類あり、ひとつは胸式呼吸、もうひとつは腹式呼吸です。肺には筋肉があるわけではないので、胸式呼吸は胸の筋肉で、腹式呼吸は横隔膜で胸郭を広げることで息が入ってきます。普段の生活ではどちらの呼吸を行なっているかということは…

Q3713.呼吸法とその習得について。(4)

A.呼吸の習得において、私は1番のポイントは横隔膜であると思っています。日本語は口先で話せてしまうため、日本人は浅い呼吸で話している人が多いです。そのため、ある程度運動の経験がある人でないかぎり、普段生活する中で横隔膜を意識している人は少…

Q3712.呼吸法とその習得について。(3)

A.呼吸法とひとくちにいっても人それぞれ感じ方が違いますが、生徒さんとレッスンしていく中でよく課題に揚がるのが「深く息を吸ったり吐いたりすることができないこと」です。男性は比較的腹式呼吸を理解するというか体感する人が多いのですが、女性はかな…

Q3711.呼吸法とその習得について。(2)

A.まずは、鼻で呼吸をする、という習慣をつけることが大事です。日常の生活の中で常に、鼻で呼吸できているかどうか意識してみてください。口を大きく開けて息を吸ったほうが一見お腹に入るように思われますが、実はその逆で、息は細く吸った方が、お腹に…

Q3710.呼吸法とその習得について。(1)

A.ヴォイストレーニングを行なう上で呼吸の問題は切っても切り離せない問題の一つといえるでしょう。呼吸の問題を考える上でまず理解しておかなければいけないことは普段我々は何も考えずとも呼吸を行なっているということです。。 トレーニングを行なって…

Q3709.プレイする前の緊張感をどう解釈し、どう解決してきたのかの経験があれば、教えてください。

A.緊張には二種あると考えています。不安感による緊張と使命感による緊張です。後者の緊張を引き出すように、「自分にはこの舞台で観客を喜ばせる義務がある」と言い聞かせるようにしています。本番の種類によっては全く緊張をしないものもあります。緊張…

Q3708.勉強のためにいいヘッドフォンをさがしています。おすすめはありますか?

A.最近は、スピーカーもそうですが、臨場感の溢れるものが多いですので、電器屋又は楽器屋で店員さんに相談されるとよいです。 音楽家の人はRolandoを愛用している人がおおいようです。(♭∀)

Q3707.近頃、学校でトレーニングルーム(ジム)を使うことが可能になり、ボーカリストに必要な体づくりを本格的に始めてみようかと思うのですが、具体的にどこの筋肉を鍛えれば良いとかありましたら、教えていただきたいです。

A.まず、特に初学の段階で、発声に使う筋肉を運動で鍛えようと考えることには直接的メリットはない事を念頭に置く必要があります。運動選手、特にボディビルダーは肉体美の為にありとあらゆる筋肉を鍛えますが、声がみんな良いかと問われたら一般人と何ら…

Q3706.外音にリバーブがとても深くエフェクがかかっているのですが、とても苦手です。歌っていてわけがわからなくなります。

A.ふつうはモニターで調整してもらうこと、伴奏は状況によって変わるので、「自分で出してる声を身体の中で聴けば歌いづらいなんてない」というのは、自分の歌は自分の歌としてきちんと仕上げ、伴奏で左右されないようにしてくださいということです。

Q3705.公演の出演をキャンセルすることはあるのですか?

A.あります。私自身はまだ一度も降りたことはありませんが何度も他のキャストが降りる場面には遭遇しています。 一番の原因は体調の問題が多いのだと思いますが最近のオペラの世界だとそうじゃないことも増えています。3.11の震災以降外国人の歌い手が日本…

Q3704.音程が悪いといわれます。どうしたらよいでしょうか。

A.音程の感覚というのは絶対音感的な問題であれば小さいころからの問題大きくなってきますが純粋に歌うだけの音感であればこれからでも充分鍛えられると思います。 数多くの人をレッスンしてきましたがまったく音程が取れないという人は誰もいませんでした…

Q3703.笑顔で歌う、頬骨をあげるようレッスンで言われるのですが別の現場では浅いと言われます。

A.まず貴方のレッスンの状況がわからないので何とも言えないのですが、私自身は頬骨を上げる、笑顔で歌うといった発声をなるべく生徒にやらないようにしています。 まず、そうすることで声が明るくなったり、響きが上がることはあります。しかし以下の3点…

Q3702.本番前の緊張はどのように解いたほうがよいでしょうか。

A.本番前に緊張することはごく自然のことですので、緊張をしないようにしようと考えない方がよいと私は思います。本番前の緊張についてですが、緊張には二種あると考えています。不安感による緊張と使命感による緊張です。後者の緊張を引き出すように、「…

Q3701.自主練習ではなにに気をつければよいでしょうか。

A.トレーナーがいない時の練習、つまり自宅で一人でヴォイストレーニングする際の注意点として、まず、自己満足に走らないことです。とても気持ちよく声を出している時は特にそうですが、自分の好きな曲をどんどん歌って満足してしまうことは危険信号でも…

Q3700.声が疲れているとき、どのようにして対処したらよいでしょうか。

A.歌いすぎなどで、声を出したら喉が痛いと感じる時は、声を出すのはやめたほうがいいです。逆に、痛くないがガラガラしたりしっかり声が出てくれないときは、発声法を解決すれば声が回復するケースもあります。休めば治ると思っていて仮に一週間声を出さ…

Q3699.パッサッジョのほうがアクートよりも難しいですか。

A.いきなり高音域でアクートする事より、パッサッジョ域や第二パッサッジョ付近の微調整の方が難しく重要なポイントだと思います。アクートに下からどう繋げていくかが大切で、これは独りではほぼ無理です。声が崩れるのもこの辺からなはずです。そこが判…

Q3698.パッサッジョについておしえてください。

A.一般にパッサージョと呼ばれる換声点は、声種によって決められているとはいえ半音位の個人差があり、コロラトゥーラ・ソプラノなどは、極端な例としてパッサージョが2点イの場合も見受けられます。 また女声の場合、高音域を実声区とし低音域を地声と呼…