2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧
A.そもそも、絶対の音というのはありません。高音としてのド、レ、ミはそれぞれに高低の幅もあるからです。歌唱上は最初に、一つの音やコードを聞いて、正しくその音を聞いてにあてる力と、一つの音に対し、次の音をおくということができたら困らないから…
A.体や発声にだけ忠実な、ヴォイトレの延長上のヴォーカルや欧米の歌唱にまったくもって忠実なヴォーカルは、私のところにもかなり優秀なレベルでいました。そういう人は、ヴォイトレをやりたい人のなかでは、あこがれや目標でした。ただ、うまいと思って…
A.先生や師匠の前座にもメリットとデメリットがあります。師の威厳や作風の傘の中でやるということは、おのずと客が師に似たものを求めるわけですから、本人も知らずと師に似ていくことを上達と思うということです。日本の多くの学ばせ方は、向こうのもの…
A.いつも作品について述べているので、それ以外に ・オーディションに書類審査などは日本だけ(実力よりキャリア、コネクションでの信用重視) ・生演奏なしのミュージカル(♭)
A.ときどき、コーラスなどをなさっているアマチュアの人に質問を受けます。 「喉の力を抜くことですか」「呼吸のトレーニングをがんばればよいでしょうか」「お腹の使い方のコツをつかむのが一番でしょうか」 コーラス指導の中で、私が口にしたフレーズのど…
A.一般的に声楽とは、クラシック音楽の中で歌われるジャンルのことですが、オペラはその中の一部です。オペラ以外に何があるかというと、誰でも知っているベートーヴェンの第九交響曲や、ハレルヤコーラスが有名なオラトリオ「メサイア」のように、オーケス…
A.声楽以外の分野(ポップスやジャズなど)の、初歩の段階の人で、話し声はそこそこ普通に出るのに、スケールになると、半分以下の声になってしまうというケースがあります。話し声を出すように歌えば、2~3倍の声量にも、声の艶にもなるだろうと、不思議な…
A.ヴォイストレーニングについては、考え方もやり方も狙いも、指導しているトレーナーの出自や専門もそれぞれに違います。劇団などでは大声トレーニングをせりふで言うことから声を鍛え、アナウンサーやナレーターの学校では、発音・滑舌トレーニングから…
A.話し方もそこで使う声も本来、無数にあるものです。まずは、とっさにある声を出せる状態をイメージして出してみてはどうでしょう。芸能人やアナウンサーは、発声や発音の訓練を積んだ声のプロです。自分の声を録音して、彼らの音声と聞き比べてみると、…
A.[コラム]<発声のメカニズムについての基礎知識> A 呼吸(呼気)―エネルギー源(息を吐く) [肺・横隔膜] B 発声【原音化】―声立て(声帯振動)息を声に[咽頭・喉頭・声帯] C 共鳴【声化】―響きに[口腔・鼻腔・咽頭] 母音=有声音 D 発音【言…
A.私は、科学を否定しているのではありません。それをよりよく生かすこと、中途半端な理屈やことばにとらわれ、否定する根拠のように、あなたにとって為にならないように使うのなら、知らない方がましです。20年以上前までの大歌手も、今の一流の歌手でも…
A.声楽の分野で、私が影響を受けた考えをあげておきます。有名な発声本の受け売り一辺倒の、日本人の指導法に警告したものといえます。私は声楽家ではないので、声楽に関しての判断は、ここでは揚げません。また、ここで述べられていることを私自身がすべ…
A.トレーナーの出身は、それぞれ異なる音楽大学ですから、ほぼ8割方、日本の声楽のほとんどがその影響下にあるヴォイストレーナーという、現在のやり方、考え方がわかると思います。それぞれの見解の差異については、あなたの判断の参考に留めてください…
A.次の3段階で声を区別してみましょう。 声のよしあし(生まれつきの声、育ちの声) 声の使い方のよしあし(教育された声) 声の感じのよしあし(受け手の感じる声)(♭б)
A.人間は文字を使う前にも、絵を描いていました。人相書きなども、そう難しくなかったでしょう。写真の発明までは、肖像画が絵の大半でした。描いて記録してきた何千年の歴史があります。 しかし、声の記録は、近年、蓄音機の発明からようやくスタートしま…
A.それは、言葉とともに、人間の獲得した最大の武器であり、芸術です。わずか2歳の子がいくつかの言葉だけで会話します。生まれたての赤ちゃんでさえ、声だけで自分の意志をまわりに伝えます。(♭б)
A.表現やオリジナリティを踏まえて述べるなら、私はロマのバイオリンのようなもの、あるいはインドのカーストで音楽を生業とする人たちの演奏を思い出します。楽器は、ボロボロの寄木のようなものから本人自身がつくります。手製でも、その耳とそれぞれの…
A.こんなのどや声帯でどうしてあのような声、演奏が可能なのかといわれる一流の歌手は、たくさんいたようです。また、人間の力は科学の分析などを易々と超えることがあります。(♭)
A.知識はあくまで知識、理論は理屈です。否定的でなく、肯定するのに使うのならよいのです。それらはあまりに自分の洞察力がないときに、一方的な思い込みで間違って才能をつぶさないためのリスクヘッジ、あるいは時間を得するくらいのためにはなるかもし…
A.私のレッスンでも同じです。 なぜなら、本は一般的に述べたもの、しかも以前に印刷したもの、レッスンは個人別に対して、今みているのですから、「どちらが」と迷うことさえおかしいのです。もちろん本の内容に照らして、疑問があれば説明いたします。(…
A.この20年くらいでは、 ・声区(レジスター)と胸声、頭声の関係、音色は胸や頭(腔)での共鳴であるといわれていたことの否定、仮声帯で裏声を出すのでないことなど ・ミックスヴォイスほか、いろんな声の分類の細分化 ・声帯の振動、発声、共鳴の可視化…
A.別の面から話をしましょう。 欧米のバイオリンという楽器は、実に多くのすぐれた演奏家や技術者(製作者)によって、高度に完成されてきました。家が買えるほどの高価なストラリバリウスの音を、「今の技術者でも超えることはできない」ともいうし、性…
A.歌が許されるのは、次の二つの理由があると思うのです。一つは、一人ひとり声が違うから、それが個性やオリジナリティと思われていることです。楽器のプレイでは、同じ音色からタッチとオリジナルフレーズで、その人の音を出さないと評価されないのです…
A.どういう歌にも歌い手もファンがいて、世の中に必要なものだと思います。私が述べているのは、ヴォイトレをする場合での方向や可能性、つまり、レッスンというものを本人やその声にどう位置づけるのか、ということです。これが曖昧であると、レッスンに…
A.声については、私の研究所でさえ、声紋分析の器材を使っている今、ここ20年の音声科学の発展はほとんど天文学や物理学、医学でいうと、天体望遠鏡や顕微鏡が出てきて、現実に目で確認できるようになったくらいの革新的なものといえるでしょう。 書籍でも…
A.オペラの世界では、はじめからソプラノ・アルト・テノール・バスという具合に、声の高さが分けられているので、流行りなどとは無関係なように思われるかもしれませんが、また別の流行りがあります。 最近は、太く重いテノールやソプラノが流行りのようで…
A.自主トレは、ヴォイストレーニングの二本の柱の一本です。もちろん、もう一本はレッスンですが、もし、同じ先生のレッスンが毎日あるのなら、自主トレはそれほど重要な役目はしなくなります。しかし、そのような人は、ほとんどいないでしょうから、自主ト…
A.自主トレは、どれくらいがんばればよいでしょうか?もちろん、なるべく毎日ある程度はがんばって、自主トレを続けることが、より速い上達につながるのですが、がんばり過ぎると喉を傷めることにもなるので、注意が必要です。実際には、どれくらいがんばれ…
A.私は、多くのポップスのシンガーに接しているので、共鳴やシャウトの中にも、一つの芯(あるいは線)を捉えるような感覚で判断しています。デッサンの線をひものようによじって細く鋭くしつつ、ハスキーやため息のように、解くことも許容するのです。こ…
A.参考までにいくつかあげておくと、シンプルに聞いて、表現性をもつこと(ステージの成り立つこと)です。それは今ここで、立体的に(リアルに)、生命感をもって(生き生きと)働きかけてくることです。つまり、聞き込まなくても聞こえてくることです。…