A.世の中には、素晴らしい楽器奏者が多い割に、素晴らしい歌手が少ないと思うのは私だけでしょうか?やはり、楽器を作るという事と演奏するという二つのことを同時に行なわなければいけない我々歌手は、他楽器と比べてとても難しいものだと思います。しかし、芸術とは、いかにに難しいことをしているかということによって人を感動させられるのではなく、よい音色とよい演奏技術が伴った時にやっと人を感動させられるものなのです。聴き手は、歌手が自分で楽器をよい状態にすることがどんなに難しいことか、ということを差し引いた分を計算して感動するなどはしませんね。芸術とは言い訳のできない世界です。例えば、自分の楽器をつくる手助けをするトレーナーが悪かったから自分の楽器は育たなかった、などと口にすることは論外だと思います。(♭∀)